投影とは?「ムカつくあいつ、実はあなた」説をわかりやすく検証

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「ムカつくあいつと今日は出張でダルい」
「付き合っている恋人が目も当てられないクズだった」
「義母の言葉や態度が最悪」

そのなんかムカつくあいつら、実はあなたが作り出しているかもしれません。

かな子

ここで読むのやめないで〜!

今回は、そんな彼らを作り出す心理学用語「投影」の解説と例、さらに、わたしの投影の実体験を交えながら嫌いな人への投影を解く方法をわかりやすく紹介していきます。

目次

心理学用語「投影」とは

投影とは「自分の不都合な部分を、他人のものだと思い込む心の防衛反応」を意味する心理学用語です。

心理学における投影(とうえい)とは、自己のとある衝動や資質を認めたくないとき(否認)、自分自身を守るため(防衛機制)それを認める代わりに、他の人間にその悪い面を押し付けてしまう(帰属させる)ような心の働きをいう。

投影 – Wikipedia

人間は安全に生きるためにも、自分に都合が悪い状況(怒りや悲しみ・苦しみを抱えたときなど)になると、自然と防衛モードに入り投影を起こします。

投影を意識的に行っていては、いざというときに外敵から身を守ることができません。だからこそ投影は無意識に起こるし、自分自身で気づかずに自己を投影する場合があるのです。

投影の例

ここでは、わかりやすく投影の例をご紹介します。

  • 自分は相手のことが嫌いなんだけど、自分に嫌いな人がいることを認めたくないため「相手が自分を嫌っている」と思い込む
  • 本当は自分もそれをやりたいのに周りがそれを批判しているせいで、自分のやりたいという気持ちを認めたくないため「相手は悪いことをしている」と思い込む
  • 知られたくない弱みがあるせいで、自分と同じ弱みを持っている誰かがいたら「相手のその弱い部分が憎い」と思い込む

あなたが「なんかムカつく」ときの心理状況に近いものはありませんか? これらに心当たりがあったら、「ムカつくあいつ、実はあなた」かもしれません。

他人に言いたいこと=自分が自分に言いたいこと」と考えるとわかりやすいでしょう。相手が問題なのではなく、自分が自分に対して「それは問題だ」と思い込んでいるから投影を起こすのです。

かな子

ページ下にあるコメント欄にて、他の方から寄せられた投影体験が大変参考になります。あわせてご覧ください。

たとえば、相手に「どうしてそんなことするの! しちゃダメでしょ!」と言いたいとき、本当は自分自身に対して「どうしてそんなことするの! しちゃダメでしょ!」と言いたくなっていると考えられます。

「どうしてそんなことするの! しちゃダメでしょ!」と自分に言いたい…ということは、つまりそれを自分自身に我慢させています

自分自身が我慢している…ということは、自分は本当はそれがしたいし、それをしている自分を認めてもらいたいのです。

かな子

いやいや、あいつと自分は違うから!」「全然意味わかんないんですけど」と思いましたか? わたしは最初そう思っていました。

では、ひとつ参考にわたしの投影体験をお話していきます。それを軸に、わかりやすく投影の解き方にも触れていきましょう。

わたしの投影体験

わたしが最初に投影に気づいたのは、勤めていた少人数の中小企業で、社長が一番若い部下に毎日毎日ブチ切れている様子を見るようになってからでした。

社長には次の特徴があります。

  • 相手がミスをすると人格否定に走る
  • 偏見が強い。自分の意見だけが正しいと信じて疑わない
  • 「絶対」「普通は」など極論を言いがち
  • 声がうるさい。言っていることもうるさい

これらの特徴を見て、あなたはどう思いますか? わたしは、毎日毎日耐えがたいストレスを抱えておりました。

かな子

他人が怒られている姿を見るだけで相手にイライラするし、代わりに言い返したくなるのです。

そこから怒りについて調べ始め、「投影」に出会うこととなりました。

自分だけがムカついている気がする

同じ状況にいても、それに反応する人・しない人がいます

なんか存在がムカつく人がいたり、イラっとしたりショックを受けたりするとき、普通はその対象のせいだと考えますよね。ただ、わたしのようにムカつく人がいる一方、同じ状況でもまったく無関心でいられる人もいます

実際、例に挙げた社長が部下に叱責しているシーンの場合、わたし以外にも同じフロアに複数社員がおりましたが、誰一人として目もくれず黙って仕事を続けるし、フォローしようともしません。社長が退室した後でも、文句を垂れる人はいませんでした。

かな子

自分だけがムカついている気がする」と自覚したのはそのときです。

上記の社長の特徴から「そんなにキレるう?」「代わりに言い返したいとは思わないなあ」とあなたは思ったかもしれません。わたしのイライラが、世界のすべてではないのです。

相手にイライラしてもいいし、しなくてもいい。どちらでもいいのに、わざわざイライラする方を選んでいるからこそ「ムカつくあいつらって、実は自分が作り出しているのかも」と考えられます。

投影に気づいたら

投影に気づいたら、ノートを使って投影を解くことで現状の悩みから解放される可能性があります。

投影はあくまでも防衛機制のひとつ。外敵から身を守るため、大昔の人間にとって必要なものでした。

しかし、現代では突然マンモスに襲われませんし、集団から離れてもひとりで生きていくことだって可能ですから、必要ではありませんよね。

それに、防衛機制を働かせっぱなしだと、守っているはずなのに逆に自分を傷つけてしまうこともあるのです。

かな子

わたしも周りの状況にいちいち反応してしまい、人生が苦しかったです。

最初は、どう考えても相手が悪いとしか思えないわけですから、自分がそれを作り出しているなんて考えるだけで辛いものですよね。

そんなわたしのような人に向け、ムカつくあいつへの投影を解いて自分を解放する方法をノートを使ってご紹介していきます。

ムカつくあいつへの投影を解く方法

それではいよいよ、ムカつくあいつへの投影を解く方法をご紹介していきます。

STEP
投影の原因を探る
  1. 「何に」ムカついたか気が済むまでノートに書き出す
  2. 一番強いムカつきをひとつ選び、その理由を考える
  3. 本当の原因に気づくまで掘り下げる
STEP
過去の傷ついた体験を癒す
STEP
ムカついていたことが本当に正しいのか考える
  • その状況が正解である世界があるとしたらどんな世界か?
  • 自分も相手も悪いわけではなく、そうするしかなかったとしたら、どんな理由か?
  • その状況についてそもそも何が起こっていると解釈しているのか?

あくまでも相手を変えるのではなく、物事を正しく認知し自分に安心感を与えることが目的です(結果的に相手や現実が変わったように見えてくることはあります)。

たった3ステップですが、ひとつひとつが超濃厚です。わたしはこれで本当に人生を変えてきました。しっかりと解説していきます。

1. 投影の原因を探る

最初は、以下の流れで投影の原因を探しましょう。

  1. 「何に」ムカついたか気が済むまでノートに書き出す
  2. 一番強いムカつきをひとつ選び、その理由を考える
  3. 本当の原因に気づくまで掘り下げる

用意するものはノートとペンだけ。いつでもどこでも始められます。

ちなみに、わたしが普段から使っているノートは「カ.クリエ プレミアムクロス」です。以下のページでご紹介しておりますので、興味があれば覗いてみてください。

では、投影の原因を探る流れについて具体的に解説していきましょう。

1. 「何に」ムカついたか気が済むまでノートに書き出す

ムカついたり傷ついたりしたとき、自分が感じたことをノートに気が済むまで書きましょう。特に「何」が起きて、”どう”感じたのかを明確にしていきます。

先ほど述べたように、社長に部下が叱責されているシーンを見て、ひどくムカついていたわたしが書くとしたら次のようになります。特に「何」にムカつていたのかについて書き出してみました。

わたしがムカつくこと

  • 弱い者いじめをしていること
  • 偏見で仕事していること
  • 人格否定をすること
  • 大声で怒ること
  • 極論を言うこと

大事なのは自分を否定しないこと。他人に見せるものではないので「こんなこと書いてはいけない…」と思わずに、あふれ出てくる言葉をそのまま書いて大丈夫です。

かな子

今あなたが感じている感情はすべて正解なので、安心してなんでも書いてくださいね。

2. 一番強いムカつきをひとつ選び、その理由を考える

「何」にムカついた・傷ついたのかがわかったら、その中からひとつ選び、「なぜなら」や「だって」でつなぎ、その理由を書いていきましょう。

ここでは先ほど挙げた中から、特にわたしが最初に強くイライラが表れていた「弱い者いじめをしていること」を例にします。「なぜなら」でつなげたところ、わたしは次のような理由が出てきました。

なぜなら、弱い者いじめは良くないし、助けなければならないから。

かな子

この時点で「これは完全に正しい。どんな場合でも覆らない」と心底信じていました。これが最終的に変化していきます。

この理由は、まだ投影の直接の原因ではありません。玉ねぎで言うなら外側の茶色の皮をはがした状態。ここから芯が見えるまで、どんどんはがしていきましょう。

3. 本当の原因に気づくまで掘り下げる

次は、「なぜムカつくのか」についてさらになぜなら」と続け、本当の原因に気づくまで掘り下げていきます。

本当の原因やきっかけのヒントは、身近な人との過去の体験・経験である可能性が高いです。

もし「なぜなら」で続けても上手く理由が出てこない場合、次のような質問を自分に投げかけてみてください。

  • 今の最悪な状況で得ているメリットがあるとしたら?」→「そのメリットを手放せない理由はなんだろう?
  • 本当は誰に対してムカついているの?」→「まだその人にムカつかないといけない?

ここからは、社長が部下に叱責していた様子にムカついていたわたしの例です。「なぜなら」で続けたところ、次のような考え方が出てきました。

なぜなら、言いたいことをわがままに言うと人を傷つけるから。わたしはそれで周りに怒られてきた。わがままに言いたいことを言ったら、みんなががっかりする。

この考え方が身についたきっかけは、幼い頃から発言を周りから否定されてきたことでした。人と違うことを言うと、輪を乱すようなことを言うな、するな、と親や先生たちはわたしの意見を些末に扱い過小評価するのです。

かな子

「そんなこと重要じゃない」「それは極論だよ」「どうしてそんなひどいことを言うの」「何もわかってない」と何度言われてきたことでしょう。

否定され続けると、「こんなことを言ってはダメ」と自分を責めるようになり、わたしは素直に意見してはいけないと思い込むようになっていきます。そうして我慢が続くと、「自分の意見を素直に言うのは悪いこと」とし、それ自体をいじめと結びつけるようになったのです。

その思い込みを持っているので、「本当は素直に意見したい」という欲求に気づいてしまうと、弱い者いじめに同調することになってしまい、わたしの立場が危ぶまれます。

かな子

まさか「極論言いたい!」「人格否定したい!」なんて、口が裂けても言えません。

だからこそ「素直になんでも言う=弱い者いじめにつながる」として、それをしている人を悪人と見なし、素直に言いたい自分を隠して辻褄を合わせようとしていました。

先に述べたように、相手に言いたくて言いたくて仕方ないことは、本当は自分自身に言いたいこと。自分自身に言いたいくらい自分に我慢をさせている、ということはつまり、本当はそれがしたかったことがわかります。

補足の必要はないと思いますが、幼いわたしは極論や人格否定がしたかったわけではありません。超スピードで次々思考し、すぐに発言したかったので表現ひとつひとつにこだわっている暇がなく、極論や人格否定と捉えられてもおかしくない言葉を必然的に選びがちでした。

でも「素直になんでも言う=弱い者いじめ」とは限らないですよね? 素直に意見を言うことで周りの価値観がアップデートされますし、隠さないでほしい人にとってそれはメリットです。

「素直に意見すること=弱い者いじめ・極論・人格否定」としていたのは、周りから否定され続けてきた経験から、わたしが生み出した認知のズレでした。

つまり、わたしが投影をしてしまう本当の本当の理由は、「素直に意見したいのに言えないから」だったのです。

かな子

「素直に意見したいのに言えない」が原因だとすると、わたしの他の例にも当てはまるように見えてきませんか?

「偏見で仕事していること」「人格否定をすること」「大声で怒ること」「極論を言うこと」これらすべて、素直に言いたいけれど言わせてもらえなかった過去の自分が“本当はしたかったこと”のように思えます。

相手にムカつくことは、自分にムカつくこと。まさに「ムカつくあいつ、実はあなた」であることがわかります。

原因に気づけると、幼いわたしが「それだよ!」と教えてくれるように自然と涙があふれてきます。次は、この感情を癒すステップです。

2. 過去の傷ついた原因を癒す

原因に気づいたら、過去の出来事で傷ついた自分を癒していきます

「あのときあの人に言われた、あのひと言が嫌だった」「わたしを大切に扱って欲しかった」「どうして信じてくれなかったの」など、これが嫌だった・こうして欲しかった、と思う言葉をノートに書き出してみてください。

ポイントは「感情を感じ切る」こと。感情は感じ切ると終わります。逆に、今まで感じ切らずにいたからこそ、その感情に今日まで揺さぶられ続けてきた、とも言えます。

過去を思い出すだけでも辛いかもしれませんが、わたしも週末にしっかり時間を作り、書いて泣いて書いて怒ってを繰り返しました。

かな子

体はくたくたになりますが、最後は「もういいや」と思えるくらいスッキリします。

もし、終わったのにまだモヤモヤしていたら、感じ切れていない感情がありそうです。辛くなったら一旦止めても大丈夫。自分のペースで進みましょう。

それに投影という防衛機制は、かつてそのときに必要だったからこそ身に着けたもの。そんな自分を否定する必要はありませんからね。

3. ムカついていたことが本当に正しいのか考える

最後に、自分がイライラしていたことが本当に正しいのかどうかを考えていきます。

ここでは、精神的自立に有効なメタ認知ノートを投影に応用しています。メタ認知ノートについて知らなくても大丈夫ですが、詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。

ここでのゴールは、「自分の思い込みが合っているときもあるし、合っていないときもある。どっちもある」ということに気づくこと。ムカついていたことに対して「それって本当?」と問いかけ、反証できないか探っていきましょう。

自分を否定するのではなく、別の選択肢を増やす大事なステップです。

先ほど述べたように、同じ状況を体験していても反応する人としない人がいます。反応しない人はどんなところに注目しているのでしょうか。ヒントとなる考え方を次にご紹介していきます。

  • その状況が正解である世界があるとしたらどんな世界か?
  • 自分も相手も悪いわけではなく、そうするしかなかったとしたら、どんな理由か?
  • その状況についてそもそも何が起こっていると解釈しているのか?

ここからかなり歯ごたえありますが、例を交えて解説しましょう。

その状況が正解である世界があるとしたらどんな世界か?

受け入れがたい状況に対して、「これがむしろ正しい・正解・正常である世界があるとしたら? と考えてみてください。

投影を解く上で、わたしはこの考え方が一番インパクトがありましたし、正直これだけで解決してしまいました。

わたしの例で言うと、特に「弱い者いじめをしていること」にムカついていましたが、弱い者いじめをするのが正解の世界ってなんだろう…? と考えてみたのです。

かな子

そのとき「あ、SMプレイだ…!」と思いつきました。

バカバカしいと思いますよね…! でも、わたしにはものすごく納得感のあるとらえ方でした。

本人たち了承の上でSMプレイを繰り広げていたとして(いたとして)、もしもわたしが「そんなことするのやめろ!」と間に割って入っていたら、それこそ「こっちのセリフだ! いいところなのに!」と彼らは言いたくなりますよね(ね?)。

本当にしんどい状況だったらどうするの! と反論があるとしたら、それは確認すればいいのです。

たとえば、痴漢されている”ように見える”人がいるならば、「困っていますか?」とまず聞きます。確認もしていないうちから勝手に怒り散らすのは、いきなり第三者が「この人痴漢です!」と声を上げるようなものだな、と気づきました。

よく言われますが、殺された鬼の家族にとって桃太郎は悪です。物事は相対であり、「これは絶対に正義でしかない!」「これはどんな状況でも悪!」はだいたい無いと思ってくれて大丈夫です。

これで大方解決したわたしですが、これで納得できない場合、次の考え方に進んでみてください。

自分も相手も悪いわけではなく、そうするしかなかったとしたら、どんな理由か?

ムカついていた物事は、実はそうなるしかなかったのかもしれません。相手の考え方の癖や立場・環境のせいで、必然的にその状況を意図せず引き起こしている可能性もあります。

社長が部下を叱責しているシーンを見てムカついたわたしのケースを例にすると、社長という立場と会社の構造上の問題で起こったことかもしれない、と考えられました。

かな子

前提として、わたしは何度か転職をしていますが、片っ端から軒並み社長とそりが合いません。

毎回毎回、高圧的なタイプが社長としてわたしの人生に登場するのですが、言い換えれば(もちろん全員ではありませんが)こういう人がなるべくして社長になるんだろうな、とも思うのです。

一方、教育係まで担っている社長と出会ったのは彼が初めてでした。冷静に考えると、会社の経営をして教育もして…といくつも担うのはあまりにも分不相応です。

もちろん両方できるスーパーマンもいますが、彼は経営のプロであっても教育のプロではありません。しかし社内に教育係がおらず、必然的に社長がその立場になりがちでした(本人は無自覚だと思います)。

教育のプロではないからこそ、部下は当然ミスを繰り返します。同時に、本人の性格上「自分は教育のプロではない」と認めたくはないですよね。この辻褄を合わせるため、上手くいかない状況を部下のせいにしたくなっているのでは、と分析しました。

かな子

もっと言うと、もともと社長はなんでも自分でやりたがりの性格なので、この現状は必然だったな、と納得できます。

もちろん、あくまでもすべてわたしの考察です。とはいえ、この会社の構造上そうなるしかなかったのではないかと気づくことができました。

こういった構造上の問題は、会社だけでなく個人レベルでも起こりえます。あなたの問題も、意思のせいではなく構造的に引き起こされているかもしれません。

以下のページでは、具体例を交えて構造的に引き起こされている問題への対策をご紹介していますので参考になさってみてください。

「いやいや、あまりにも都合が良すぎない?」と思う場合は、次の考え方に進みましょう。

その状況についてそもそも何が起こっていると解釈しているのか?

上記2つの考え方でもまだモヤモヤするようであれば、次はそもそもこの状況を自分はどう解釈しているのかを改めて考えてみましょう。

わたしの例で言うと、社長が部下に「弱い者いじめ」をしている、ととらえていたので、この「弱い者いじめ」をしている状況では一体何が起こっているのか、について再定義するのです。

たとえば次のような問いかけになります。

  • 「弱い者いじめ」とは何か? どういうことだと解釈しているのか?
  • 「弱い者いじめ」が起こると、どうなってしまうと思っているのか?
  • 「弱い者」とは何か? 「弱い」とは? 「いじめ」とは?

この中で出てきた考え方に対して、さらに「それってつまりどういうこと?」「それって本当?」と掘り下げていきます。

かな子

わたしの場合は特に、『「弱い者」とは何か』を再定義することで思い込みのいびつさに気づきました。

なぜなら、現状を「弱い者いじめをしている」と解釈していた一方、叱責されている部下を勝手に「弱い者」と認定し、彼を下に見ていたと気づいたからです。

「弱い者」・「弱者」は、わたしが決めていいものではないですよね。虎視眈々と反撃を待つ強さがあるかもしれません。勝手に弱い者として扱うということは、不用意に彼のプライドを傷つけたり、計画を邪魔したりする可能性があります。

かな子

先に述べた通り、確認していない状況であれやこれやと勝手に決めつけるのは有効ではないと気づきました。

このパターンに限らず、様々な視点からイライラと向き合うと、考えていることだけが正解ではないと気づくことができます。すると、自然と心がほぐれていくことを実感できることでしょう。

投影を解く方法は以上です。ここまでお疲れ様でした。

投影を解くことでわたしに起こった変化の例

投影を解いた後どうなっていくのかは人によって違いますが、参考までに今回ご紹介したわたしの投影がその後どうなったのかをお話しましょう。

かな子

読まずに飛ばしていただいてもOKです。

社長が部下を叱責するシーンを見て感じていたわたしのイライラには、次の2つの変化がありました。

  • 同じ状況が起きてもムカつかなくなった
  • 社長が叱責しなくなった

ひとつは、社長が部下を叱責する状況に対して、なんとも思わなくなってきたことです。無関心とまでは言わないですが、毎日同じように二人を見ていても以前ほどイライラしなくなりました。

さらにすごいことに、数か月後には社長が部下を怒る機会が激減していきます。社長が長期間の出張に行くことになりました。数か月単位で会社を空けるため、社内が随分静かになったのです。

また時を同じくして、怒られていた部下が退職することとなりました。実は転職活動をしていたようなのです。

当然と言ったら当然かもしれませんが、一方でわたしがあのとき二人の間に割って入っていたら、彼が円満に退職できる機会を逃していたかもしれません。部下の彼はやはり「弱い者」ではなかったのです。

彼が退職したことで、出張から戻って来て以降も社長が叱責するシーンはほとんど見なくなりました。

加えて、たとえ怒ることがあったとしても、前ほどの威力は感じられません。今までわたしの頭の中はイライラでいっぱいだったのに、社長が隣でいくら発言していても何も引っかからなくなったのです。

かな子

ずばり、叱責しなくなった、と思えるくらいの変化でした。

叱責しなくなった”ように見える”、という言い方が正しいかもしれません。相手は何も変わっていないと思います。しかし、わたしのとらえ方を変えたことで、結果的に現実が変わって見えるようになりました。

投影を解くポイント

投影を解くポイントは、あくまでも「今のあなたにとって納得できる」考え方に気づくことです。

たとえば手順3の「ムカついていたことが本当に正しいのか考える」で、自分以外の存在が出てきた場合、まだ掘り下げられる可能性があります。
※『その方が世の中のためだから』とか『誰かが見ていてくれるから』とか『あの人が幸せならそれで』など

かな子

わたしの場合、部下を見て「これも彼の人生経験になるから…これが正解」と思い込もうとしても、今のわたしにとってそれは「しゃらくせえな」と感じてしまいます。

もちろんこれで納得できればOK。あくまでも今のあなた自身がどう思うかが重要です。もし浮かんでくる考え方に納得できない場合、次の点についてゆっくり考えてみてください。

  • 自分に嘘をついて、無理やり聞こえの良い結論を出そうとしていないか?
  • 本当はどうしてほしかったのか?

頑張っても答えが出なかったり、辛くなったりしてきたら、一旦ノートから離れて日常生活に戻りましょう。一度で結論を出そうとしなくて大丈夫です。

かな子

ある日、ふとアイディアが降ってくることもありますからね。

そうやって自分と向き合い、素直になるための時間を作る方法を以下のページで解説しています。併せてご覧ください。

途中まで考えたけれど進まないよ! という人がいましたらお手伝いします。

こちらのページの下部にあるコメント欄限定になりますが、(個人情報に気を付けて)どこまで考えたかを書いていただけましたら、承認次第続きのヒントになりそうな考え方をご返信いたしましょう。

かな子

すでに数件回答済みですので、ご自身の悩みの参考にぜひのぞいてみてください。

まとめ

今回は、『投影とは?「ムカつくあいつ、実はあなた」説を検証』について解説してまいりました。

投影とは「自分の不都合な部分を、他人のものだと思い込む心の防衛反応」のこと。投影の解き方は以下の3つです。

  1. 投影の原因を探る
  2. 過去の傷ついた体験を癒す
  3. ムカついていたことが本当に正しいのか考える

ポイントは、「今の自分が納得するかどうか」を大事にすること。一度で結論を出さなくていい、ということも覚えておいてください。

投影の他にも、心の不安を解消して「大丈夫」になる考え方を紹介しています。ぜひ以下も参考になさってみてください。

あなたの人生が少しでも大丈夫になることを祈っています。

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コメント一覧 (8件)

  • 社内で1人だけ皆よりずいぶん長く休憩を取る人がいます。誰も注意しないどころか、真似し始める人もでています。会社は見て見ぬふりで、自分が注意してもまったく効果はありません。すごくイライラします。この理論でなんとかできないかと思いましたが、少し高度な感じがしたのでコメントしてしまいました。

    • たしかにわたしの状況と似ていますし、なんならこの問題解決しそう! と思いました。
      ここからお話することが、少しでもヒントになれば幸いです。ちょっと長いですが、丁寧に説明していきますね。

      記事にも書きましたように、同じ状況でもそれに反応する人・しない人がいます。
      会社は見て見ぬふりをしている上に、真似し始めている人もいるのですよね。
      ということは、全員が全員あなたと同じようにイライラしているわけではないことは間違いなさそうです。

      これを踏まえた上で、投影が起こっていると考えた場合、相手に「みんなより長く休憩を取るな!」と言いたくなっているとしたら、本当は自分に対して「みんなより長く休憩を取るな!」と言いたくなっていると考えられます。

      自分に言いたいということは、言いたいくらい自分に我慢させているということ。
      我慢させているということはつまり、本当のあなたは“みんなより長く休憩を取りたい。取っても許されたい”と思っているということなのです。

      「いやいや、そんなこと思ってないし! あり得ない!」と思われるかもしれません。
      もし、そうやって反発したくなっているとしたら、やはりあなたの中で長く休憩を取ることに対して傷ついた経験(怒られた・仲間外れにされた・裏切られた等)が過去にあったのかもしれません。
      だからこそ二度とあの体験をしないように、会社のルールを守らせ自由にさせず我慢させることで、自分を守ろうとしているのでしょう。これが投影の機能・役割です。

      ここまで理解した上で、もしあなたが投影を解くとしたら「自分はみんなより長く休憩してもいいし、しなくてもいい。どちらもいい」と気づくことがゴールです(今は思えなくてOK)。

      このゴールへ向けて、次の質問を自分にしてみてください。

      ■長く休憩を取ると、どうなってしまうと考えているか? それは本当か?

      あなたは、みんなより長く休憩を取るとどうなってしまうと考えていますか? それに対して「それって本当なの?」と反証してみてください。

      例)長く休憩を取るということは、サボることになる。サボりは悪 → それは本当?
      例)長く休憩を取るということは、働く時間が短くなって会社に損失を与える → それは本当?

      もし上手くいかなくても大丈夫です。そのときはまたお話聞かせてくださいね。
      わたしも投影を解くまで時間かかりましたし、投影はあなたを守るために働いているので投影してしまっても良いのです。

      以上になります。このページを見つけてくれてありがとう!

  • こんばんは。

    高齢の実母が認知症…までいくかいかないか、毎日同じような昔の話をしてきます。年も年だし、聞き流してても文句を言うわけでもないので一々聞いたよとは言わないようにしていますが、特に愚痴っぽい話や噂話を何回も聞かされるとたまにキレそうになってしまいます。

    わたし自身、起こってしまったことはどうすることもできないし、他人のことは他人のことで気にしても仕方なくない?と考えているので、あの人はあんなことしてて大丈夫なのかねぇ?などと言っているのを聞くと、心配しているふうで興味本位でしかないのでは?とイラッとしてしまい…

    娘として話ぐらい聞いてあげよう、というか遮らずに気が済むまで最後まで喋らせてあげようと思い、そういう話題の時は違うことを考えるようにしてますが、正直ちょっとストレスです。考え方のアドバイスを頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。

    • 実は過去わたしも「毎回同じ愚痴うるせ~」と爆発寸前だったことがあります。違う点があるとしたら「あの人はあんなことしてて大丈夫なのかねぇ?などと言っているのを聞くと、心配しているふうで興味本位でしかないのでは?とイラッとしてしまい…」の部分。ここが重要な気がしました。
       
      ■投影する理由
      投影では「相手に言いたいことは自分に言いたいこと」です。
      つまり、ゆうさんがお母さまへ投影している場合「心配しているふうで興味本位でしかないのでは?」と言いたくなっているならば、「心配しているふうで興味本位でしかないのでは? と自分自身に言いたい」ということ。
       
      ただ、ここまではまだまだ投影の表層。さらに踏み込み「では、なぜ心配しているふうで興味本位でしかないのでは? と自分に言いたいのか」を考えてみましょう。
      つまり、そうやって自分に言い聞かせなければならないほど、あなたの中に愚痴っぽい話や噂話をやめさせようと働く力があるのです。
       
      おそらく、本当の本当は他人のことを気にしたいのではありませんか??
      その欲求に対して、過去出会った誰かに「心配しているふりして首突っ込みたいんじゃないの」のような態度を何度か向けられ、「自分はこんなことをしてはいけないんだ」と傷ついたことで、もう二度と傷つかないように自分を縛って禁止しているのだと思いました。
       
      だからこそ、平気でそれをしている人を見る度に、本当はそれがしたかった過去の自分が暴れ出し、自分を守るためにも「心配しているふうで興味本位でしかないのでは?」と言い聞かせ、投影してイライラするようになったのだろうと推察しました(これが投影の機能です)。
       
      ■投影の解き方
      「いや、そもそも他人のことは気にするべきじゃないよね」と思われるかもしれません。
      しかし記事にも書いたように、退治された鬼の子どもにとって桃太郎は悪者。
      全員が全員、ゆうさんの考え方に賛成するとは限りませんし、ゆうさんの考え方で救われる人もいます。
      どちらもいるのに、なぜわざわざ愚痴っぽい話や噂話を何度も聞きたくない方を正としているのか、に向き合ってみてください。
       
      きっと「向き合いたくない! やだやだ!」という過去の自分が出てくると思います。
      もし出てきたとしても、それを否定せず「他人のことを気にしちゃったら、どうなると思うの?」と素直に問いかけてみましょう。
       
      ※ちなみに、以下の思考もそれぞれ思い込みだと思います。

      • 一々聞いたよとは言わないようにしている
      • 娘として話ぐらい聞いてあげよう
      • 遮らずに気が済むまで最後まで喋らせてあげよう

      いちいち聞いたよと言っていいし、話を聞かなくていいし、最後まで話す前に遮ってもいいです。
      いいのに、なぜそうじゃない方を選んでいるのかそれが正しいと思い込んでいるのはなぜか…を深掘りすると、傷ついた幼い自分が出てくると思います。まずはその子を見つけるところから始めましょう。
       
      このコメントのおかげで、またこれを読んだ別の誰かの力になります。悩みを話してくれてありがとう!

  • こんにちは。

    すごく勉強になります。
    投影なのかもと思う出来事があるのですが、なかなか自分の怒りが収まらず、冷静に考えられず全貌が見えません。

    義母と義妹に対する不満です。義妹は、お金の使い方が下手で借金を繰り返し自己破産をしました。仕事も続かず新しい事業を起こしては、借金をのこしたまた辞める事を何度も繰り返しています。家族経営の会社にも多額の借金を残し辞めたりししっかり私達にも皺寄せがあります。それでも、新しい事をするとなると旦那が義母が応援し、本人は失敗に対し反省なくふわふわして自己否定してる感じもない所にめちゃくちゃイライラと怒りがわきます。義母も最後最後と言いながらお金をかしたりしていつも義妹を擁護します。

    昔から無責任な所があり、動物をかっても面倒をみなかったり、引越しするときも部屋を掃除せず義母にまかせたり。お祝いのお返しはしないし、そのあたりは本当適当です。あと先の事を考えずにその時の感情で動き結局失敗するのであとの始末は家族がうけます。

    このような状態で投影している部分を考えてみるのですが、怒りが大きくなかなか前に進めません。義母義妹問題は、いつもわたしのイライラの原因です。

    なにか気づきをいただけるとありがたいです。

    • 内容を読む限りかなり本質がわかりやすく出ているので、何かしら気づかれることがありそうな気がします。ちょっと書きすぎちゃいましたがお付き合いください。

      今回言及されておりませんが、家族経営とのことなので旦那様も同じようにそのしわ寄せの被害を受けているのでは、とお見受けします。にも関わらず、イライラするどころが(書き間違いでなければ)応援までしているとのこと。つまり、同じ状況でもイライラする人としない人がいます。

      イライラしてもいいし、しなくてもいい。どちらでもいいのに、なぜ自分はイライラする方を選択しているのか、をまずはひも解いていきましょう。

      ■イライラする原因

      「本人は失敗に対し反省なくふわふわして自己否定してる感じもない所にめちゃくちゃイライラと怒りがわきます」←ここが超重要な気がしました。

      投影している場合、相手に言いたいことは自分に言いたいことです。
      もし「失敗には反省すべきだし、自己否定すべきだ」と言いたいならば、つまり自分自身に対して「失敗には反省すべきだし、自己否定すべきだ」と言いたい…もっと言えば、そうやって言い聞かせなければならないほど本当は失敗したとしても反省も自己否定もしたくないと思っている、ということです。

      「いやいや反省はすべきでしょ」と思われるかもしれません。一方で物事には必ずメリット・デメリットが同時に存在します。さわさんが「これは悪でしかない!」という視点でしか物事を見ていないだけで、本当は悪でしかないものは存在しないと思ってください。

      ではなぜ、悪の視点からしか見ていないのか…その原因が投影なのだろうと思います。
      さわさんは過去、身近な人(多くの場合は両親、友達、先生のような立場の人)から、失敗したら反省すべき・良くないことをしたと表明すべき、のように言われたり、態度で示されたりして、それがきっかけで傷ついた経験はありませんでしたか?

      幼いあなたは自分を守るためにも、(厳密には違うと思いますが)失敗をしたら必ず反省の態度を示そうとしたり、自己否定をして許してもらおうとしたりして、本当は自由勝手に振る舞いたいのに自分に我慢をさせてその場を乗り越えてきたのかもしれません。
      だからこそ、もう二度とあの傷つく経験をしないためにも、他人が我慢せず平気で堂々としているところを見たとき、過去の自分が意識に躍り出てイライラするようにしている(←これが投影の機能)のだと考えられます。

      ■投影を解くとしたら

      失敗して反省しなかったら・自己否定しなかったら、どうなってしまうと思っているのか?」を考え、それをとらえ直してみてください。

      例)反省しなかったら、応援してくれた人が怒るはず
       → それは本当? 反省しないことがむしろ正解だとしたら?
       → 怒ったとしてそれの何が問題だと思ってる? 何のために相手は怒ると思ってるの? わたしの成長のためだとしたら?
      例)自己否定せず堂々としていたら、見捨てられてしまう
       → それは本当? 見捨てられないとしたら?
       → 見捨てられるとはどういう状況のことを言っているの? それが起こったとして、それがどう問題につながりそう? つながらないとしたら?

      きっと途中で、幼い自分が「だって○○だから…」と言ってくれると思うので、それを素直に認め「それは本当に今でもそう?」とさらに自分に問いかけてみましょう。

      ここでのゴールは「失敗して反省をしてもいいし、しなくてもいい。どちらもいい」と気づくことです。ここに気づいたら、後半に書かれている「昔から無責任な所があり、~」以降が一気に片付きそうです(それらすべて同じ原因で引き起こされてるように見えるので)。完璧主義っぽいところもちょっとありそう。

      もしかしたら投影の原因はもっと奥深いところにあるかもしれないので、途中で違う方向に思考が進んでもOK。投影はあくまでも自分を守るために起きているため、上手くいかなくても大丈夫です。
      今のさわさんが、その投影を作った過去の自分に「もう大丈夫だよ」と気づかせてあげることで自然と落ち着くと思いますよ。やってみてね!

  • はじめまして。

    記事を読ませていただきアドバイス頂きたく連絡しました。

    私の相談は、人に対する緊張をなくしたいということです。
    友達、職場、公園などの公共の場、一人でも人がいると緊張してすぐに演じてしまいます。友達の場合も自分の意見を否定され始めた時点ですぐに迎合してしまいます。職場でも誰も自分の事を見ていないとわかっていても格好よく見える表情を作ってしまう、運転していても前から車が走ってきただけで知らない運転手に対し表情を作ってしまう始末です。当然、朝礼(もう8年目)や研修発表会などは手足も震えマイクは持てず、紙を直視しないと話せない程です。さらに子供のお祝い事で親族に向かい挨拶する際も隠れてお酒を飲んでからでないとまともに挨拶もできない状態です。この緊張さえなければ、もっと自由に過ごせるのにと苦しんでます。
    この緊張をなくしたいとあらゆる本を読み漁り、自己分析した結果、両親が怖くて逆らえなかった事、妹に泣かされるからと小学3年生から無理やり習わされた空手で先生や先輩に絶対服従だった事、空手で殴られることがとてつもなく怖く練習日や試合の数日前から友達と遊ぶ気力もなくなるほど恐れていた事、母親から高校卒業するまで辞めたらダメと言われたが辞めたいとずっと言えず好きな振り強い振りをし続けてきた事など、これらが原因で投影しているのかもしれないとの結論に至りました。
    それから色んな試みをしましたが、頭ではわかっていても身体的な条件反射は全く消えませんし、自己否定の実績が積みあがっていくばかりです。
    私のゴールは、心理的にも身体的にも必要以上の緊張を根絶させることで、子供に私と同じ人生を歩ませない事です。
     
    そのためにお尋ねしたいことは、私の言う緊張は本当に投影なのでしょうか?そして、根絶させることは可能なのでしょうか?
     
    是非、アドバイスを頂けますようお願いいたします。

    • 2点質問いただいたので、順番に回答していきますね。

      【1】緊張は本当に投影か?

      投影とは「自分の不都合な部分を、他人のものだと思い込む」ことなので、この現象が投影かどうかはちょっと断言できません。
      もし、他人が緊張している様子を見てモヤモヤしたら投影だろうなとは思います。

      ただサンバーさんの場合、これが投影か投影でないかが問題なのではなく、この過度な緊張をどうにかできないか? が知りたいのですよね。

      よく勉強されているようなのでもうわかっているかもしれませんが、この現象が起きたとき、どういう気持ちになるのかが超重要。

      わたしも過去緊張について調べたことがあるのですが、「自分じゃない自分になろうとしたとき」緊張する説があるらしく、今でも緊張したときこれを思い出します。

      たとえば、以下のようなイメージ。

      他者を認知
      →「今の自分ではいけない! より良い自分にならねば!」
      →自分じゃない自分になろうとする
      →緊張

      順番としては、緊張よりも先に「演じなければ!」という意識が働きます。
      つまり、本当の自分はバレたくない、隠さねば、と無意識に思っている可能性があるのです。
      隠しているものが見つかったら怖いですよね。だからこそ緊張しているのかなと思いました。

      ここでポイントになるのは、ではなぜ演じようとしているのか、です。
      ありのままの自分ではいけない」と無意識に思ってはいませんか?

      投影の原因だとして後半に挙げていただいた「怖くて逆らえない」などは、どれもこの演じることへの理由な気がしてなりません。
      ありのままの自分で認めてもらえるわけがない、だからこそ自分を隠して強く見せなければ…! と自分を守る思考が働き、演じることで緊張しているのではと思いました。

      【2】緊張を根絶させることは可能か?

      本題です。今起きている、その過度な緊張や人目を気にする態度を、根絶とまでは言わずとも軽くすることは全然可能だと思っています。

      その上でやるべきは、サンバーさんが挙げていただいたゴールの再設定です。

      ずばり、この問題のゴールは「ありのままの自分でいい、と認めること」。
      もっとショックなことを言うと、「心理的にも身体的にも必要以上に緊張していいし、子どもが私と同じ人生を歩んでもいい」がゴールです!

      「え!? 信じらんない、それが嫌だからたくさん勉強してきたんですけど」と思われるかもしれません。
      ただ、理由はこれまで説明してきた通り。ありのままの自分を認められていないからこそ、緊張している可能性があるのです。

      その上で、以下の問いかけをしてみてください。

      ■ありのままの自分でいたら、どうなってしまうと思っているのか?

      自分じゃない自分を演じようとして緊張しているのだとしたら、「ありのままの自分で居続けることで、何が起きると思っているのか」を反証していきましょう。

      • 必要以上に緊張したら、演じることを辞めたら、どうなってしまうと思っているのか? それは本当か?
      • 子どもが自分と同じ人生を歩んだらどうなってしまうと思っているのか? それは必ずそうなのか?

      たとえば「友達の意見と違う意見を言ったら、がっかりされちゃう…」と思うなら、「それは絶対そうなの? がっかりされず、むしろ感謝されるとしたら?」と反証していく感じ。

      ありのままの弱い自分でもいいんだ! と本当の意味で気づけると、演じる必要がなくなるので自然と緊張しなくなるでしょう。
      ただこれは自分を守るために起きていると思うので、今すぐ解決できなくても大丈夫。そんな自分もまるっと認めてね!

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