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【実録】敵意を向けた・向けられた別対処法
あなたは敵意を向けた、あるいは向けられた経験はありますか?
かな子
どちらにしても書き出しが最悪すぎる。
その際、どう対処すればいいのかわからず、モヤモヤしてしまうことがあるかもしれません。
今回は、わたしが実際に向けられた敵意(!)を例に、お節介にも敵意を向けた側の対処法をご提案しつつ、さらに踏み込んで、実際にわたしが敵意を向けてくる人にどう対処したのかもご紹介します。ぜひ最後までご覧ください!
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目次
わたしが敵意を向けられるまで
数年前に起きた敵意を向けられた事件について、以下の流れでお話していきます。
- 事件のざっくり概要
- 敵意を向けてきたAさんについて
- Aさんが向けた敵意リストとその矛盾・問題点
情報の特定を避けるため細かい改変はしますが、本筋の大事な部分は忠実に忠実に書いていきます。
正直この事件の問題点だけでも読み応えあって面白いです。早速参りましょう!(うきうき)
事件のざっくり概要
今回の向けられた敵意事件をざっくり簡単にまとめると、ひとりが「ねえみんな聞いて~!」とわたし+数名への不平不満を巻き散らかした、です。
事件があった現場は、数年前に通っていた社会人向けプログラミングスクール。
その中で、スクール生数名を中心に勉強会の企画・運営を行っていました。敵意を向けてきたのは、同じ勉強会の企画・運営メンバーであるAさん。今回の主人公です。
勉強会概要
参加者側は自由参加、企画・運営メンバーは持ち回りで担当します。勉強会はもともとカリキュラムとは別で組まれていて、スクール生同士の交流が主な目的です。
Aさんとわたしは、ここで初めて関わることとなりました。
たしか企画側は全部で8名ほどで、ランダムで集められました。当日までにテーマや当日の司会・進行などをメンバー同士の打ち合わせで決めて準備を進めていきます。
あまり交流がなかった人同士でひとつの会を企画する、となると当然当日まで紆余曲折あるものです。これを読んでいるあなたにも、大変さが伝わるのではないかと思います。
当日は無事に開催されたのですが、その後企画した感想をオンラインのアンケートに記入してスクールに提出。書いた感想は、今後運営の参考のためにスクール生全員が確認できます。
ここで、事件が起きました…。
今回の主人公Aさんは、みんなが見られるアンケート内で企画・運営メンバーへの不平不満を爆発させ大暴れしていたのです。
ターゲットは、わたしを含めた数名。「〇〇な態度の人ってどうなの」といった持論を、全員が閲覧できる場に書き散らかしていました。
敵意を向けてきたAさんについて
Aさんとは勉強会の企画・運営で初めて関わったのですが、その中でわかったAさんの特徴を挙げていきましょう。
Aさんの特徴
- よくしゃべる。間が耐えられず、黙っていられない
- 無駄が嫌い。急いでいる印象
- めちゃくちゃ予定があって忙しい(→打ち合わせに出席できない)
Aさんを象徴する特徴として一番に挙げられるのが、よくしゃべること。打ち合わせの場に最初にいるのですが、メンバーが集まるまで些細な間が耐えきれず、黙っていられない様子でした。
誰かにその場の主導権を任せると、その人が考えている時間やちょっとした間が気になって、すぐに主導権を奪い返し、自分で進めたくなっている感じです。
打ち合わせ中、ちょっと間が空くと「この時間無駄なので」と前置きしてから話し始めることが多い印象。
急いで決めようとしている感じでしたが、本人的にはスムーズに決まった方が良いと考えているかもしれません。場をコントロールしたい様子でした。
急いでいる理由のひとつに、Aさん自身の予定が詰まっていることが考えられます。そのため、Aさんが打ち合わせになかなか参加できない、という場面が多発していました。
一方、わたしは暇すぎたので打ち合わせだけ鬼の皆勤賞でした。
Aさんが向けた敵意リストとその矛盾・問題点
やりたいことリストとは比にならないほど激萎えリストで恐縮ですが、以下にAさんがアンケートで共有してくれた主な敵意をリスト化してみました!(うっきうき)
- 「役割に偏りがある」
- 「打ち合わせ中に地蔵がいる(=お前ら発言しないな)」
- 「打ち合わせを欠席した分、当日のタスクを頑張った」
- 「お前ら締め切り守らないな」
さて、一見して「別にそんな悪いこと言ってなくない?」と思われるかもしれませんが、実はここには問題点・矛盾が含まれています。
もっと言うと、その問題点・矛盾自体が問題なのではなく、Aさん自身がこの問題点・矛盾に気づかないほどの状況になっている点が一番の問題じゃないかとここでは主張したいです。
現場にいた立場から、上記の問題点・矛盾をひとつずつ解説していきましょう。
もし、この問題に気づいていないあなたは、実は無意識にAさんの立場になっているかも。そこから踏み込んで、こんな状況のAさんとは何者なのか、についてはさらに後半で解説します。
「役割に偏りがある」
Aさんのひとつ目の敵意「役割に偏りがある」。ここでの問題は、偏っているかどうかは人によって違うことが無視されている点です。
運営メンバーのリーダーや、資料・議事録作成担当、当日の司会・進行など、ハッキリとした役割のある人たちへの負担が大きい、もっと分散できるのではないか、という指摘がありました。
逆に、(わたしとAさん含め)これら以外のメンバーは勉強会当日まで目立った役割は担っておらず、打ち合わせに出席して案出ししたり、調べものしたり告知したりなど、名前のない小さなタスクをこなすのみ。不公平だと意見が出てもおかしくないですよね。
さて、この「役割に偏りがある」の問題点は、偏っていると感じるかどうかは人によること。つまり、Aさんにとって現状が偏っていると感じているにすぎないのです。
簡単に言えば「それってあなたの感想ですよね」につきます。
実は、先ほど挙げた重そうな役割のうち、ひとり積極的に担当してくれた人がいました。
最初はわたしも、その人のタスク量を見て「大丈夫かな」と一瞬心配したのですが、なんかむしろやりたそうにしている雰囲気だったので、そのまま様子を見ることにしたのです。
そして勉強会開催後まもなく、その人はプログラミングスクールを途中退学することとなります。
おそらく、打ち合わせ時点では本人的にもう心では退学を決めていたのではないかと思いました。
ただ、勉強会の企画・運営メンバーとして参加することが先に決まっていたので、これだけはやり切りたいと思っていたのかもしれません。
辞めることがわかっている中で、何もせず参加し続けることはしんどいですよね。自分のできることで少しでも貢献できれば、という本人の強い意志があったのではないかと推察します。
その人が退学すると最初に知ったとき、「あぁ、あの頑張りはそういうことだったんだ」とわたしの中で納得できました。
その意思があるのにも関わらず、役割が偏っているから、という理由で「せめてこれだけでもやりたい!」という意思を無視して役割を奪われる方が本人的にも困りますよね。
おそらく、Aさん自身があまり貢献出来てないと思っていることから「役割が偏っている」という意見が出てくるのでは、と思いました。
「打ち合わせ中に地蔵がいる(=お前ら発言しないな)」
Aさんのふたつ目の敵意「打ち合わせ中に地蔵がいる」。ここでの問題は、積極的であることを正義にし過ぎている点です。
ここでの地蔵とは、「打ち合わせ中に黙って座っているだけの人」を指します。
この地蔵とはまさしくわたしのこと(!)なのですが、打ち合わせに参加していても発言する人は毎回ほぼ決まっていて、メンバーの大半は自分以外の発言を待っていることが多かった印象です。
特にAさんは自分からどんどんしゃべり始めるので、自分以外が話すのを待つ時間もあり、より一層打ち合わせで地蔵が強調されます。
Aさんが太字にしてパンチラインのように書いていた感想は次の通りです。
事前準備もせず、ただ打ち合わせに顔出しただけで地蔵でいるなんてこと自分は考えらないので、しっかり準備して打ち合わせ中は特に多めに発言することを意識していました。
くう~言うとりますわ~。
これはおそらく、相手を下げることで自分を上げたいのでしょう。とにかく、打ち合わせにいる地蔵たちと自分は違うんだぞ、と言いたげです。
ここで問題点を挙げるならば、本人の中で積極的であることを正義にし過ぎていることです。
Aさんはとにかく間が嫌なので、打ち合わせの流れが止まると進めようとしてきます。すると、必然的に反射で発言することになるので、思考が浅くなるのは当然です。
浅い思考の例
打ち合わせ中「Bのタスクに時間がかかりそうな場合、Cができないのでは」という話題から、わたしが「Bのタスク量自体そんなにないと思うから、Cはできそう」と発言したとき、Aさんは「Bのタスク量はそんなにないだろうけど、それにしたって時間が無いからCはやめた方がいい」とわたしの意見を却下してきたことがありました。
わたしとAさん、前半の意見はそろっていた(=Bのタスク量はそんなにない)のに、Aさんの中で勝手に時間が無いことにされ、Cが実行できないという結論になったのです。
ここ、自分で矛盾言ってるのすごいですよね…マジで意味わかんなすぎて思考止まりました。
こっちは心折れてそれ以降だんまりです。ただ実際、Aさんの中で発言に省略があったのかもしれないので、わたしがすべての意図をくみ取れていない可能性もあります。
一方で、このときのことをAさんはアンケートに「自分が調整役をした」と書いていました。その場をコントロールできたと思っているようです。
敵意を向けてきたAさんについてでも挙げたように「時間が無い」の意識や前提があるので、このときAさん自身は「勝手な解釈で決めるなよ」と焦ったことでしょう。
一方、わたしは「(Bのタスク量はそんなにないから)時間がある」前提でした。なので、「なんで勝手に時間が無いと思っているんだろう」と思い、お互いに「勝手な解釈してるな」と思っていたのではないかと思います。
「時間が無い」という意識の中で出た発言は、やはり思考が浅くなりがちです。こちらについては、以下で詳しく解説しています。
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もし、この場の全員が積極的であった場合、反射で発言する人が何人もいたらどうなるでしょうか。
積極的であることを、あまりにもウルトラCのように扱っていると、浅い思考を衝突させることになり上記のような矛盾も起きるでしょう。
地蔵に敵意を向けていた割に、地蔵が動き出したら動き出したで文句言うし、Aさんはすべての打ち合わせに出席していないにも関わらず、本人の中で自分が出席してない打ち合わせでも地蔵は地蔵だったことにしている点も気になります。
見てもいないことを、堂々と決めつけているのです。
これだけでも矛盾がいくつかあるのに、一番の問題はこの矛盾に本人が気づかないくらいの思考になっていることです。これについて詳しくは後述します。
「打ち合わせを欠席した分、当日のタスクを頑張った」
Aさんの3つ目の敵意「打ち合わせを欠席した分、当日のタスクを頑張った」。ここでの問題は、問題じゃないことを問題化している点と、打ち合わせに出席しないことと当日こなしたタスクがなぜか本人の中で同等になっている点です。
先に述べたように、打ち合わせを欠席すること自体は問題ではありません。わたしは地蔵でも鬼の皆勤賞でしたが、欠席者には何も思いませんでした。
でも、本人は勝手に「それは問題だ」と考えています。もしかしたら日頃から、自分に対して「与えられたことはこなさなければならない」などといった厳しい目線で過ごしているのかもしれません。
その意識でいるからこそ、問題じゃないところから問題をでっち上げ、それを解消しようと無意識に奮闘します。
今回で言うと、本人曰く「打ち合わせに出席できなかった分、当日のDタスクやEタスクなどもろもろ取り組みました」とアンケートで報告しているので、「打ち合わせに出席できなかった」という問題じゃない問題を、DタスクやEタスクで挽回しようとしたようでした。
重ねて言いますが、打ち合わせを欠席することは別に問題じゃないし、打ち合わせを欠席することとDタスクやEタスクをこなすことを本人の中でなぜ勝手にイコールにしているのか、そっちの方が矛盾している気がしています。
自分で問題を作って、自分で解決している…大変な生き方をしているな、と気づきました。
「お前ら締め切り守らないな」
まだあります。最後、Aさんの4つ目の敵意「お前ら締め切り守らないな」。ここでの問題は、Aさんが敵を探し続けている点です。
たとえ打ち合わせに出席できなかったとしても、メンバー全員での決めごとがある場合はチャットツールを使って共有されます。
あるとき、割と重めのFタスクを○月○日までに終えるように、とリーダーから連絡があったにも関わらず、締め切り日になってもAさん以外ほぼ全員タスクが完了しない事態がありました。
これについてAさんが、「締め切りも守れないなんて、社会人として云々…」と指摘していたのです。
さて、一見正しい意見のようですが…実はこれは、Aさんが敵意を探し続けている点が一番の問題だと考えられます。
チャットツールは、誰かが投稿すると「〇〇さんが投稿しました」とメンバーに通知が届くのですが、設定を誤るとその通知が全員に届かず、チャットの投稿を意図的に見に行かないと気づけない状況だったのです。
実は過去、わたしがリーダーのとある投稿をたまたま見たことでタスクに気づき、全員に通知が届くよう再設定したことがありました。
Fタスクはその後、リーダー自身が締め切り当日にメンバーに通知が届くようリマインドしたことで、ようやくわたしもそのタスクの締め切り日に気づきます。
そのときわたしは「あぁ、この人また設定ミスったんだな」と察していました。…ただ、Aさんは違います。
Aさんは過去のわたしと同じように、チャットの投稿を意図的に見たことで、わたしたちよりも早めにFタスクの締め切り日に気づいていました。
同じ『自分だけが気づいている投稿を見た』状況でも、敵意を前提にしていないわたしは「この状態だとみんな締め切りに気づいてないな」と理解しました。
一方で、Aさんは敵がいることが前提なので「締め切りも守れないなんて、社会人としてどうなんですかねぇ…」などと敵意の種を見つけ、敵にする必要のないところで相手を敵に回すことになりました。
敵探しに余念がなかったからこそチャットツールに張り付いていて、いち早く締め切り日に気づいたのかもしれません。
もちろん、これらすべてあくまでもわたしの予想。一方で、あなたはどうでしょうか? こんな感じで、敵意を向けた、あるいは向けられた経験が一度や二度ありませんか。
ここからはいよいよ、この敵意を相手に向けた場合と、向けられた場合の対処法を分けてご説明していきます。
敵意を向けた側の対処法
敵意を向けた側の対処法として、敵意の原因と敵を消す方法(⁉)をご紹介します。ポイントは以下の2点です。
- 敵意の原因は”自己否定”だと気づく
- 自己否定を止めると敵は消える
敵意を向けた側は、まずこの敵意の原因は”自己否定”だと気づくことが大切です。そして、その自己否定を止めると自然と敵はいなくなります。丁寧に解説していきましょう。
敵意の原因は”自己否定”だと気づく
実は自分が敵意を向けるとき、その原因は”自己否定”からきている場合が多いです。
これは地蔵である自分を否定していることから生まれる敵意。
どんな状況でも、打ち合わせで地蔵になってはならない、という前提があるからこそ、打ち合わせで地蔵になる人がムカつくのです。
この考え方は、『相手に言いたいこと=自分が自分に言いたいこと』とする心理学用語「投影」がもとになっています。投影については、以下のページで超詳しく解説しています。
投影とは?「ムカつくあいつ、実はあなた」説をわかりやすく検証
「ムカつくあいつと今日は出張でダルい」「付き合っている恋人が目も当てられないクズだった」「義母の言葉や態度が最悪」 そのなんかムカつくあいつら、実はあなたが作…
↑のページのコメント欄では、いろんな投影体験談が寄せられていますので大変参考になります。
さて、先に矛盾点をいくつかお伝えしている通り、これだけ矛盾があっても本人が矛盾に気づけていません。
予定を詰め込まなければ認知バイアスが起きないのでは? と考えられますが、ではなぜAさんはそんなにも予定を詰め込んでいるのか…そこにも予定が無い自分が許せないという自己否定がありそうだなと予測しました。
だからこそ、効率的でなければならないし、無駄があってはいけない、と連鎖的に自己否定が増えていきます。
以上を踏まえると、Aさんには地蔵や予定の有無以外にも以下の自己否定があると予想します。
Aさんの自己否定の例
- 間があってはいけない。黙っている自分に価値は無い
- 場をコントロールしなければならない。できない自分は認められない
- 無駄があってはならない。効率的でなければならない
- 積極的であるべき。選ばれる存在でなければならない
- 打ち合わせを欠席してはならない。欠席した分価値を提供しなければならない
- 社会人として締め切りは当たり前に守るべき。守れない自分に価値は無い
これらの自分ルールを言い聞かせているからこそ、そのルールを平気で破る他人にイライラするのです。
そして…なんとこれは、何を隠そう数年前のわたしがしていたことでした!!
Aさんはわたしだった
これを読んでいるあなたは、なぜわたしがこんなにも赤の他人へ理解を深めようとしているのか、不思議でしょうがなかったかもしれません。
実はわたしも過去、Aさんと同じように他人への敵意が止まりませんでした。最初、Aさんが書いた敵意まみれの文章を読んだとき、「これわたしが書いたんか…!?」と思うくらい心当たり多くてビックリ。
絶対言わないけど、もしAさんにアドバイスするとしたら「そっちは茨の道だからやめた方がいい」と伝えるでしょうね。
敵を作りまくってきたわたしは、その後この敵意の原因である自己否定に気づくことになります。そこから自己否定を止めると敵を作る必要がなくなり、今ではほぼ敵がいなくなりました。
ここからは、そんなわたしが実証済みの自己否定の止め方をご紹介していきましょう。
自分を責める癖の原因と自責を辞めるノート術
「好きな人にフラれた。一生ひとりで生きていくしかないんだ」「仕事で大失敗した。これからもどんどん失望されるに違いない」「気分が落ち込んでしまう。こんな自分で…
自己否定を止めると敵は消える
わたしが実践済みの、敵がいなくなる”自己否定”を止めるやり方をご紹介しましょう。可能であれば、ノートとペンを使って以下を書き出してみてください。
- 相手に敵意を向けたくなったとき「これは自分の何を否定しているのか?」をノートに書き出す
- 自分否定に気づいたら、その原因・きっかけを思い出す
- 2.で思い出した原因・きっかけで生まれた自分ルールを反証する
まず、敵意を向けたくなったとき・相手にムカついたとき、これは自分の何を否定しているのか? をすぐに考えます。
それに気づいたら、今度はそんな自分を否定することになった原因・きっかけを突き止めます。
赤ちゃんの頃は、自己否定なんてするはずがありません。だからこそ、人生のどこかで自己否定の原因・きっかけが必ずあるはずです。
その経験から自分を守るために”自己否定”でその場を切り抜ける学習をしたことで、今日まで自分ルールとしてその”自己否定”を大事に持っていると考えられます。
たとえば、こんな愛の無い言葉を向けられた経験があったのかもしれません。
- 「何もしゃべらないなら、いないのと一緒」
- 「そんなこともできないならお前なんかいなくていい」
- 「約束守れない子はこの家にはいりません」
あるいは、言葉だけでなく存在を無視される、価値が無いかのように雑に扱われるなど、実態のない抽象的な経験も含まれます。
傷つけられた出来事を特定できたら、その経験から作られた自分ルールを反証していきましょう。この反証では、自分ルールが適応できなくても大丈夫と気づくことがゴールです。
二度とあんな悲しい思いをしないためにも、傷つけられたときに作った自分ルールがあるはず。それを以下のように反証します。
自分ルールを反証する例
- それは本当にどんなときでも守らないといけないルールなのか?
- 避けたいことが起こったとしても、自分の価値には何も関係がないとしたら?
- ムカついているこの最悪な状況にメリットがあるとしたら何か?
- ルールを無視することでむしろ喜んでもらえるとしたらどんな状況か?
これらに限らず、どんな反証をしても構いません。もしこの反証が上手くいかない場合は、以下のページでもヒントとなりそうな反証の例を挙げていますので、ぜひ参考になさってみてください。
精神的に自立するメタ認知ノートの書き方
精神的に自立したくても、毎日起こる問題に対処できず「イライラに飲まれて辛い。泣いてしまう」といった状況になることはありませんか? 実は、わたしもかつては定期的…
一度で解決はしないので、イライラする度に何度か試してみてください。すると自然と自己否定が消え、敵意を向ける相手がいなくなり、自然と敵が減っていることを実感できると思います。
敵意を向けられた側の対処法
さて、敵意を向ける側の対処法をご紹介してきましたが、ここからはわたしが向けられたこの敵意に対して実際にどう対処したのかについて解説していきます。
結論は「相手を知り、敵意に敵意で返さない」です。具体的に言うと、以下の流れで対処していきます。
- 敵意を敵意で返さず本質を見る
- 「問題があってもいいし、なくてもいい」を伝える
- 注意点(自己否定や矛盾を指摘しない)
まずは前章のように相手を知ることが重要。これだけで、わたしの溜飲が随分下がりました。詳しく解説していきます。
敵意を敵意で返さず本質を見る
この問題のとらえ方として、敵意に敵意で返さず、問題の本質を見ることを最初に意識します。
まずは前章を読み込んでいただき、なぜその思考が自己否定に繋がるのか、の理解を深めましょう。そこから今向き合っている問題にこの本質を当てはめ、なぜ相手はこんな敵意を向けているのか…と考えてみてください。
一度で答えが出なくても大丈夫です。
多少なりとも相手を知るだけで、自分がなんとかしなければ…! という意識から一旦距離を置くことができますよ。ぜひ試してみてください。
「問題があってもいいし、なくてもいい」を伝える
もし、相手の敵意にリアクションを求められている場合、「問題があってもいいし、なくてもいい」を伝えましょう。
今回わたしのケースで言うと、名指しで指摘されたわけではないし、Aさんにとって敵はわたし一人ではありませんでした。個人攻撃ではないので、できるなら別に無視しておいてもいいのです。
ただ今回の場合、関わった人全員で感想のアンケートを書くことが前提になっています。Aさんが書き散らかした敵意をみんなが確認できる場所で、我々も感想を書かなければなりません。
MCバトルに無理やり引っ張り出されている気分。
もし敵意を向けられて、わたしのようにどうしても公に反応しないといけない状況なら、その問題があってもいいしなくてもいい点をぜひ伝えてみてください。
基本的に「これは誰にとっても正義」「絶対的な悪」はこの世には存在しません。このブログで度々登場しますが、たとえば桃太郎に出てくる退治された鬼の子にとって、親を退治した桃太郎は悪に見えます。
だからこそ、相手が「それはダメだ」と指摘してきたことを、あなたが真に受ける必要はありません。どんな状況だろうと、相対的に良い・悪いは同時に存在するからです。
同時に存在するはずなのに、片方を否定することは本質ではありません。相手の視点から見たら相手の言い分は存在しているし、相手の視点ではその意見は間違ってないのです。
例えば、Aさんは「やり方が効率的じゃない」と指摘していた部分があったのですが、わたしからはその点について「問題があってもいいし、なくてもいい」をベースに以下を重点的に伝えました。
- Aさんが「非効率だ」と思っている状況は、現状を見ると必然
- 改善できることはある。だからといって、現状が悪いわけではない
「問題があってもいいし、なくてもいい」と伝えた例
まず、Aさんが指摘している非効率な状況が起きている理由を、環境要因の視点から冷静に分析していきます。
たとえば、打ち合わせに集まる時間帯や、そこで無意識に行われている慣習、使っているツールの使いづらさ、など、わたしたち自身以外の問題で起きている可能性を探りました。
その上で、「現状の非効率さはわたしたちの惰性で引き起こしているわけではなく、今の○○の状況であれば現状起きていることは必然だったと思う。改善するとしたらその○○自体を××するといいかもね」と伝えた上で、「でも、現状が悪いわけではない。現状だからこそ、□□ができたし△△も良かった」と展開し、相手の意見を否定せず、だからといって現状も否定しませんでした。
これは、メタ認知を使って客観的に現状をとらえると導き出すことができます。
精神的に自立するメタ認知ノートの書き方
精神的に自立したくても、毎日起こる問題に対処できず「イライラに飲まれて辛い。泣いてしまう」といった状況になることはありませんか? 実は、わたしもかつては定期的…
すぐにこの結論にたどり着くことは難しいと思うので、時間をかけてじっくりゆっくり考えてみてください。
わたし自身、最初に敵意を向けられてからこの結論を導き出すまで数日かけました。
他にも、Aさんが「あれができていない」と指摘した点にも、「その代わりこれはできてたし、それもできていた」と別の視点でみんなの頑張りに感謝する内容を書き記しました。
おかげで、何か追加でAさんから文句を返されたわけでもないですし、勉強会当日を境にAさんと顔を合わせることもなく、これ以降で大ごとにはなりませんでした。
注意点(自己否定や矛盾を指摘しない)
注意点を挙げるとしたら、わたしは特に相手の自己否定や矛盾していることは伝えないことが重要だと思っています。
相手の敵意の原因が”自己否定”だからといって、当たり前ですが「あなた自己否定してますよね」とは言わなくていいです。
相手からしてみれば「はぁ? なんのこと」って感じですよね。
また、先ほどの「敵意を敵意で返さない」に繋がりますが、あれだけ矛盾点があったからといって、片っ端からそれを指摘する必要もありません。
実は、わたし以外の参加者の感想の中で、Aさんの敵意に反応している人はいました。
あくまでも、今目の前で起きている自分が対応できる範囲の問題に焦点を当て、相手の意見を否定せず、自分の立場も肯定することを前提に向き合ってみてくださいね。
それでも「何かしら言い返したいんだけど」と思われる場合、それは今度はあなたの問題になってきます。
理由は説明してきた通り、「問題があってもいいし、なくてもいい」が現実だからです。それなのにも関わらず、なぜあなたは言い返したいのか…そこをメタ認知ノートで深掘りしていきましょう。
もちろん、当たり前ですが「自分が悪いことしたな」と思ったら素直に謝った方が良いです。マジでマジで。
一方で、結局わたしは一文字も謝りませんでした!
なぜなら、指摘されている問題が起きたことで得られたメリットがある、と理解しているからです。
「謝る必要ある? だってあれとかこれとかそれも出来ているのに、それら全部無視することになるじゃん」みたい気持ち。敵意を深めれば深めるほど「え、なんも悪いこと起きてなくない?」と謝ることに違和感が出てきます。
謝っちゃえば簡単なんですけどね。それに、何度も言いますが無視できるなら無視しましょう。そうしたくないな・そうもいかないな、と思う場合はこれまでご紹介したやり方で問題への理解を深めてみてください。
さいごに
以上が『【実録】敵意を向けた・向けられた別対処法』になります。
今回Aさんの敵意の原因を”自己否定”とした上で、誰かに敵意を向けた場合と向けられた場合で対処法をご紹介しました。
ここでは便宜上「敵意」と表現していますが、敵意とは自分がそれを敵意だと感じているから敵意になるわけであって、その敵意を向けるに至った理由に気づくことで、本当の本当は敵意を向けていたんじゃないことがわかります。
“自己否定”自体の原因は「自分を守りたい」という欲求なので、Aさんは本当はわたしを攻撃したいのではなく、傷ついている自分を守ろうとしていたんだろうなと思いました。
先に書いたように、Aさんは過去のわたし。しんどい自分ルールで人生を切り抜けてきた、傷だらけの愛すべきわたしなのです。
最後まで読んでくれたあなたは、ご自身の問題に近い部分はありましたか? 敵意を向けても向けられても、どちらにしてもあなたは大丈夫。今回の記事を通して心が楽になる部分があったら嬉しいです。
不安になっても今すぐ「大丈夫」になる考え方5選
「将来が不安。このままで本当に大丈夫?」「怒ってしまった(怒られた)。嫌われたかもしれない」「仕事で失敗した。自分はどうして何も出来ないんだろう」「このまま一…
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