アフィリエイト広告を利用しています。
「なぜ人と組織は変われないのか」意思のせいじゃない原因を解説
「いつも仕事が上手くいかない」
「またダイエットに失敗した…」
「自分の意思が弱いから、いつも変われないんだ」
かな子
ちょっと待って! その変われない原因は、あなたの意思の弱さではないかもしれませんよ。
今回は、ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』を下敷きに、続かない、あるいはやめられない原因についてお話します。
著:ロバート・キーガン, 著:リサ・ラスコウ・レイヒー, 翻訳:池村千秋
¥2,695 (2024/05/30 08:05時点 | Amazon調べ)
後半では、その原因を正しくとらえ直し目標達成へと進む方法をご紹介していきます。
今回は、特別にわたしの超個人的な悩みを例に解説しているので、ご自身の悩みにも当てはめて考えてみてください。
目次
変われない原因は「裏の目標」を果たすため
“物事が続かない”あるいは”やめられない”など、いつまでも変われないその原因は、今抱えている目標より「裏の目標」を果たそうとしているからです。
ここでは、この裏の目標についてと、裏の目標を作る「強力な固定観念」について詳しく解説していきます。
「裏の目標」とは
「裏の目標」とは、達成したい目標の阻害行動をとる原因のことです。
たとえば、”ダイエットしたい”目標が達成できていないならば、そのダイエットを阻害する行動を取り続けていることが原因、と考えることができます。
今回の種本である『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』から、例として一部抜粋します。ダイエットしたい人の目標と阻害行動は、以下のようになります。
目標 | 阻害行動 |
---|---|
体重を減らしたい | ・食べる量が多すぎる ・お腹がすいていないのに食べてしまう ・脂肪分、炭水化物をとりすぎ |
この人は、「食べる量が多すぎる」などダイエットに対する阻害行動をなかなかやめられません。普通はこの阻害行動を改善しようとしますし、それは簡単には変わらないものですよね。
ではなぜ、わたしたちはこの阻害行動をしてしまうのでしょうか。
今までのわたしだったら、意思が弱いからと決めつけていました。ところが、本書ではこれをきっぱり否定します。
実は、ダイエットに失敗し続けている本当の本当の原因は、この阻害行動を促進する「裏の目標」があるからなのです。その理由を解説していきます。
裏の目標の例1『ダイエットが続きません』
ダイエットしたいと思う人たちのうち、その目標と阻害行動はおおむね共通していますが、一方で阻害行動をしてしまう裏の目標は人によって千差万別です。
先ほどのダイエットがしたい人の例から、この人が気づいた「阻害行動をしてしまう裏の目標」をご覧ください。
スクロールできます
目標 | 阻害行動 | 裏の目標 |
---|---|---|
体重を減らしたい | ・食べる量が多すぎる ・お腹がすいていないのに食べてしまう ・脂肪分、炭水化物をとりすぎ | 親しい人たちとの絆を大切にしたい。周りの人の愛情のしるしは、しっかり受け止めたい。 |
この裏の目標を読んで、どう思われたでしょうか。
「え、全然関係ないじゃん」と思いませんでしたか?
実はこのダイエットをしたいと思っている人には、次の前提があったのです。
- イタリア系アメリカ人。絆が強い一族
- 毎週、何世代もの親族が集まって豪勢な食事を楽しむのがならわし
- おばさんが親切によそってくれたパスタのお代わりを断れない
これらを踏まえ、次の本文からの引用を読むと、この人がどういう心境で食事しているのか想像することができます。
私が減量のために食事制限を始めて、おばさんが親切によそってくれたパスタのお代わりを断れば、どうなるか? おばさんはこれ以上ないくらい傷ついた表情を浮かべ、私の心を切り裂くひとことを発するにちがいありません。『どういうつもり? すっかり偉くなって、私たちとはもう付き合えないって言うの? 私たちとは別世界の人間っていうわけ?』と。おばさんたちのことは大好きです。それにおばさんたちはお代わりを差し出しているだけではありません。それと一緒に、愛情も差し出しているのです。それを阻むのは、とてもつらいことなのです。
ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』
ダイエットはしたい…けれど、絆が強い一族であるがゆえに、食事を断って親族を傷つけてしまうこと(=思い込み)を恐れ、結果的に食べることをやめられませんでした。
だからこそ、裏の目標は「親しい人たちとの絆を大切にしたい。周りの人の愛情のしるしは、しっかり受け止めたい。」であると結論づけることができるのです。
【実録】敵意を向けた・向けられた別対処法
あなたは敵意を向けた、あるいは向けられた経験はありますか? どちらにしても書き出しが最悪すぎる。 その際、どう対処すればいいのかわからず、モヤモヤしてしまうこ…
裏の目標の例2『感情をコントロールできません』
続いて別の裏の目標の例です。本書の中で、燃え尽きるほど仕事をしてしまうキャシーは、目標を「自分の感情と感情表現をもっとうまく管理する」と設定していました。
そんな彼女の裏の目標を見てみましょう。
スクロールできます
目標 | 阻害行動 | 裏の目標 |
---|---|---|
自分の感情と感情表現をもっとうまく管理する | ・強い感情を抱きやすい。物事に感情的に反応してしまう ・他の人に助けを求めない ・取り組む課題のすべてを110%の質でやり遂げようとする ・オーバーペースで働いてしまう | いかなる代償を払ってでも、あらゆることにベストを尽くす。 いざというときに頼りになる人間だと思われたい。やがて私が燃え尽き、チームに迷惑をかけることになるとしても。他人に弱みを見せたり、他人の気分を害したりしたくない。 |
変われない状況にあるとき、通常その人の「目標」と「裏の目標」は矛盾します。
彼女は感情をうまく管理するという目標と、つねに完璧に仕事をこなすという目標の両方を本気で目指しているが、後者の目標を追求しようとすれば、感情が張りつめて前者の目標がそこなわれてしまうーーそうした矛盾が明瞭に描き出されているのだ。
ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』
この裏の目標は目に見えるものではなく、とても強力で無自覚に発動されるので、意識せずとも阻害行動をとってしまうのです。
裏の目標を作る「強力な固定観念」を緩めて目標達成
裏の目標に気づき、裏の目標を作り出した「強力な固定観念(=誤った思い込みや前提)」を反証していくことで、阻害行動を自然とやめていくことができます。
そもそも、こういった思い込みや「認知バイアス」がある理由については、以下のページで詳しく解説しています。
「認知バイアス」が現実を歪めて認知する本当の本当の理由
わたしたちは、現実を歪めて認知する「認知バイアス」という機能を持っています。 その理由として、脳のエネルギーを節約できるからとか、速く反応する脳と遅く反応する…
ここからは、感情をコントロールしたいキャシーの例を参考に、強力な固定観念を見ていきましょう。
スクロールできます
目標 | 阻害行動 | 裏の目標 | 強力な固定観念 |
---|---|---|---|
自分の感情と感情表現をもっとうまく管理する | ・強い感情を抱きやすい。物事に感情的に反応してしまう ・他の人に助けを求めない ・取り組む課題のすべてを110%の質でやり遂げようとする ・オーバーペースで働いてしまう | いかなる代償を払ってでも、あらゆることにベストを尽くす。 いざというときに頼りになる人間だと思われたい。やがて私が燃え尽き、チームに迷惑をかけることになるとしても。 他人に弱みを見せたり、他人の気分を害したりしたくない。 | 150%の努力をしてこそ自分を評価できる。110%の努力をしないくらいなら、燃え尽きる危険を冒す方がマシ。同僚に頼られる存在でなくなれば、チーム内での地位が脅かされる。 私のチーム内での評価は、困ったときに一番頼りになる人間だと思われているかどうかにかかっている。 |
上記の強力な固定解除はほんの一例。実際はもっとびっしり書かれていました。彼女の真面目さがうかがえます。
本書によると、彼女が医学校の受験が報われなかったことがきっかけで、この強力な固定観念が生まれたようでした。
私がどれほど頑張っていたかは、家族や友達、同級生など、まわりのみんなが知っていた。だから、「いったい、どうしちゃったの?」とみんなに言われる羽目になった。そういう言葉の一つひとつを屈辱と感じていました。
ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』
ここからキャシーは、無意識に自身を守るために自己防衛的な態度として「自分の価値を自分自身と他人に対して実証し続けなくてはならない」という強迫観念から抜けなくなっていきます。
そこで身に付けたのが、完璧主義的な傾向・他人に助けを求めない態度・弱みを見せまいとする警戒心だったのです。
背景を知ると、この強力な固定観念が出来上がった理由がわかりますよね。わたしにも身に覚えがあるので、読むだけで苦しかったです。
こういった強力な固定観念は、身に付けた当時の自分にとって(自己防衛的な意味で)必要でした。だからこそ、そんな自分を否定する必要はありません。
一方で、その固定観念が必要ない状況でも、それに振り回されてしまうことがあります。最終的にキャシーは、燃え尽きるまで仕事をしてしまうことになりました。
ここから抜け出すには「強力な固定観念を信じる必要がない」と自分に気づかせ、緩めていくことが重要。キャシーも特別なプログラムを受けて、この強力な固定観念を外していきます。
次章では、この裏の目標を手放し目標を達成する方法を詳しくご紹介していきます。
著:ロバート・キーガン, 著:リサ・ラスコウ・レイヒー, 翻訳:池村千秋
¥2,475 (2024/03/03 20:05時点 | Amazon調べ)
裏の目標を手放し目標を達成する方法
ここからは、裏の目標を手放して目標を達成する方法をご紹介します。本書で紹介されている内容を下敷きに、より個人でもできるやり方に落とし込みました。
その方法は次の通りです。
STEP
裏の目標から強力な固定観念を探す
- 裏の目標をあぶりだす
- 強力な固定観念に気づく
STEP
強力な固定観念を反証する
- 例)その固定観念に対して、自分はどう意味づけをしているのか。それは本当か
- 例)この固定観念を無視したらどうなってしまうと思っているのか。それは本当か
- 例)その固定観念が自分にとってメリットになるとしたら、どんなメリットか。それは本当か
- 例)その固定観念と同じ状況が起きたとして、なんとも思わない他人と反応してしまう自分の視点の違いは何か
もし自己変革をしっかり行いたい場合は、本書を手に取って読まれることをおすすめします。
また改変にあたり、メタ認知ノートという精神的に自立を促すノート術を使って進めていきます。メタ認知ノートを知らなくとも問題ありません。もし興味があれば、以下で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
精神的に自立するメタ認知ノートの書き方
精神的に自立したくても、毎日起こる問題に対処できず「イライラに飲まれて辛い。泣いてしまう」といった状況になることはありませんか? 実は、わたしもかつては定期的…
1. 裏の目標から強力な固定観念を探す
用意するものはノート(わたしのおすすめはカ.クリエ プレミアムクロス)とペン。そのノートに、あなたが達成したい目標とその阻害行動を書いていきましょう。このふたつはわかりやすいと思います。
書き出せたら次のステップに進んでいきます。
- 裏の目標をあぶりだす
- 強力な固定観念に気づく
それぞれ順番に詳しく解説していきますね。
1. 裏の目標をあぶりだす
「裏の目標」とは達成したい目標の阻害行動をとる原因のことです。自分ですぐわかれば、そのままノートに記載してください。
もしわからず「これって裏の目標かな?」と悩んだ場合は、次の点をヒントにしましょう。
裏の目標の見極め方
- その裏の目標は目標と矛盾しているか
- その裏の目標は自己防衛的な行動になっているか(=「自己防衛」という意味で自分のメリットになっているか)
ここからは、具体的にわたしの例を交えて解説していきます。
今回のために超個人的な悩みを特別にご用意しました。
わたしは日頃から「SNSを見る時間を減らしたい」と思っていますが、一方でわたしは推しのX(旧Twitter)アカウントを見るだけでなく、推しているファンのアカウントまで監視しているのです。
この時間が無駄! やめたい! と思ったので、目標・阻害行動・裏の目標を以下のように書き出しました。
スクロールできます
目標 | 阻害行動 | 裏の目標 |
---|---|---|
推し界隈について見ているSNSの時間を減らす | ・スマホが近くにあるからつい触ってしまう ・ファンの発言がいちいち気になる | 自分だけ情報が追えなくなることが嫌。ファンが余計な行動・発言していないか監視したい。置いていかれたくない。知らなかった、と思いたくない。 |
裏の目標を公開するのはめちゃくちゃ恥ずかしいし、なかなか認めたくないですねこれ…。
一方で、いざ向き合ったとき嫌悪感を抱けば抱くほどその裏の目標は合っていると考えられます。特にわたしは、裏の目標の最後に出てきた「知らなかった、と思いたくない」が強烈に嫌悪感がありました。
もし考えてもわからない場合、阻害行動の理由を「なぜなら」や「だって」でつないで続きを書いてみましょう。わたしの場合だったら以下のようになります。
- スマホが近くにあるからつい触ってしまう→「なぜなら」スマホを触っていると目の前の面倒なことを考えずに済む(後回しにできる)
- ファンの発言がいちいち気になる→「だって」普通のファンが勝手な発言して目立たれると困る。最新事情を知っておかないと、目立つファンが話している内容を理解できなくて置いていかれる
「なぜなら」や「だって」を何度か繰り返して、目標と目標と裏が矛盾するまで掘り下げていきましょう。
2. 強力な固定観念に気づく
続いて、この裏の目標を作り出す強力な固定観念が何なのかを考え、書き出していきます。
自分を否定せず、素直になってノートに書き出してみましょう。ちなみに、わたしが書いた場合はこうなりました。
スクロールできます
目標 | 阻害行動 | 裏の目標 | 強力な固定観念 |
---|---|---|---|
推し界隈について見ているSNSの時間を減らす | ・スマホが近くにあるからつい触ってしまう ・ファンの発言がいちいち気になる | 自分だけ推しの情報が追えなくなることが嫌。ファンが余計な行動・発言していないか監視したい。置いていかれたくない。知らなかった、と思いたくない。 | 目立つファンを監視できないと、「実はみんな横並びでないかもしれない」と不安になる。水面下で人間関係が動いているかも、と思うと安心できない。特別扱いされる人がいるかもしれない、と疑心暗鬼になる。 |
こんなのが出てきて「そうだったんだ…」と自分で感心しちゃいましたね。
この強力な固定観念の原因には心当たりがあります。実はわたしは、昔から「仲間外れにされている」と気づくことが多い子どもでした。
- 友達同士の内緒話(あの子が好き? 嫌い? など)を教えてもらえず、「何も知らないわたしに話を合わせてるな」と気づく瞬間
- みんな遊ぶためにそこにいるのに、なぜかわたしだけ「帰っていいよ」と言われて拒絶されたときのあの感じ
- 知らない間に仲間内で飲み会が行われていたことを察したときの虚しさ
こういう経験を重ねていくと、「いつの間にか人間関係が動いている!」という状況に敏感になっていきます。
しかもなぜかみんな悪意はなく、普段は普通に接してくれるのに、いつの間にか自然と淘汰されていると気づくのが辛いのです。
そこから、日常生活の中で「自分は重要人物じゃない」「みんなの中で取るに足らない存在になっている」という状況を回避しようとしていきます。
特に、次のような思い込みが自分の人生に干渉してくるようになりました。
わたしの思い込み
- みんな平等であってほしい。わたしだけ仲間外れにしないでほしい
- 知らないことが怖い。水面下で勝手に人間関係が動かないでほしい
- 仲間内の重要な情報を知らずに会話を合わせる姿は間抜けに見える。「こいつなんも知らないんだ 笑 適当に合わせとこ 笑笑」と下に見られてると思うと腹立つ
悔しい! と思っても、相手を変えることはできませんから、自分で情報を手に入れて必死に付いていくしかありません。
だからこそ、SNSを監視して人間関係を知っておきたいのでしょう。これがわたしの思い込みだったのです。
2.強力な固定観念を反証する
最後に、今まで握りしめてきた思い込み(強力な固定観念)を反証していきます。書き出した強力な固定観念に対して、「それって本当?」と自分に問いかけ、答えをノートに書いていきましょう。
強力な固定観念が猛威を振るっているときに自分をよく観察し、その固定観念をくつがえす材料がないかどうかを探す。いつ、どういうときに、強力な固定観念が活性化され、どういうときにその固定観念に反する結果が生まれるのかを見極める。
ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』
最初に挙げたダイエットの例のように、強力な固定観念は「自分がそう思っている」ことであり、つまり思い込みである可能性が高いのです。この思い込みをやめ正しく物事を認知し、考え方のバランスを整えていきましょう。
「自分の考えはすべて間違っている!」だと心にストレスがかかる上、それは真実ではありませんよ。
「合っていることもあるし、合っていないこともある。どっちもある」ととらえ直すことで、極端に振り切っていた固定観念が少しずつバランスの取れた考え方になっていきます。
もし悩んだ場合、たとえば自分に次のような問いかけをしてみましょう。
- 例)その固定観念に対して、自分はどう意味づけをしているのか。それは本当か
- 例)この固定観念を無視したらどうなってしまうと思っているのか。それは本当か
- 例)その固定観念が自分にとってメリットになるとしたら、どんなメリットか。それは本当か
- 例)その固定観念と同じ状況が起きたとして、なんとも思わない他人と反応してしまう自分の視点の違いは何か
ここからは、先ほど導き出したわたしの強力な固定観念を例に深掘りしていきます。
強力な固定観念:目立つファンを監視できないと、「実はみんな横並びでないかもしれない」と不安になる。水面下で人間関係が動いているかも、と思うと安心できない。特別扱いされる人がいるかもしれない、と疑心暗鬼になる。
「みんな横並びでない」状況のことをどう意味づけしているの?
→不平等。わたしが知らないところで勝手に仲を深めないでほしい。
じゃあ知ってるところだったらいいの?
→知ってるところだったらいい。目の届く範囲で親睦を深めるのはいい。知らないところで人間関係が進むのが嫌。
知らないところで仲を深めることが、自分にとってメリットになるとしたら?
→そんなもんない。何にも思いつかない。強いて言えば、わたしの目に見える範囲なんて当然狭いし、その狭い世界だと推しの交友関係は広がりにくい。もしかしたら、ファンの中から推しに仕事をくれる人がいるかも。そういう人とは、わたしが知らないところでどんどん勝手に仲良くなってほしい。これはわたしにとってメリット。
他のメリットは?
→うーん…あとは、推しが目立つ人を見ていればわたしを見ずに済む。もともと推しと仲良くしたいわけじゃないし、見ていたいけど見られたくはない。みんな目立たず平等だと、些細なことで簡単に比較されて目立つチャンスができてしまう。それは嫌。目立つ人は、わたしにとって隠れ蓑。わたしは「目立ちたくない」一方で「みんな平等でいてほしい」という矛盾する考え方を持ってたんだ…それだわ。
はい、いかがでしょうか。ここまでくると、当初想像もしていなかった世界が見えてきました。ここで改めて強力な固定観念を見直してみると、「合っていることもあるし、合っていないこともあるな」とすんなり納得できます。
さらに裏の目標も振り返ってみたところ、「なんか違和感」「別にこれじゃなくてもいいかも」と感じます。
さっそく心に変化が出てきました。「裏の目標が達成できなかったら…」と考えても心がざわつきません。やめられる気がしてきた…!
いきなり行動に変化が表れるか、と聞かれたら微妙ですが、ただ執着が減ったのは確かです。
しかも、固定観念の原因となっていた体験を改めて考えたところ、「自分の目の届く範囲はとても狭いのだし、その狭い範囲内で彼らが知識・経験を積んで成長しようとするのはやはり有効じゃない」と素直にとらえ直すことができました。やったね。
以上が、「裏の目標」を手放して目標達成していく方法でした。
著:ロバート・キーガン, 著:リサ・ラスコウ・レイヒー, 翻訳:池村千秋
¥2,475 (2024/03/03 20:05時点 | Amazon調べ)
裏の目標を手放すポイント
裏の目標を手放すポイントは、今の自分が納得できる考え方・とらえ方を優先することです。
挙げてきた考え方でわたしは事なきを得ましたが、同じような状況でも納得できる人ばかりではないと思います。
その場合は、一旦ノートから離れて日常生活に戻ってください。一度で上手くいかなくても大丈夫。ふとしたタイミングで、いいアイディアが浮かぶことがありますのでご安心ください。
わたしも今回の結論に行き着くまで数日かかりました。ゆっくり自分のペースを大事にしてください。
もしそこで、自分のペースを無視して「今すぐに結論を出したい!」と思ってしまうならば、もっと自分と向き合うための時間が必要です。
以下のページでは、より良い結論を導き出すために時間が必要な理由と、時間を作る方法をご紹介しておりますので参考になさってみてください。
人のアドバイスを素直に聞けない原因と対策
「的確なアドバイスや指摘をもらったのに、なぜか素直に聞けない」「責められているみたいで嫌。受け入れられない」 わたし(@note_yodan)はこの調子で20代を過ごしてき…
もしこれでもなかなか上手く進まないな…と思ったら、このページのコメント欄にてお話を聞かせてください。個人情報等を伏せてできたところまで書いていただけましたら、承認次第考え方のヒントをお伝えしましょう。
今回の種本「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」
今回はロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』の内容を、個人で使える形にぎゅっとまとめてご紹介しました。
著:ロバート・キーガン, 著:リサ・ラスコウ・レイヒー, 翻訳:池村千秋
¥2,475 (2024/03/03 20:05時点 | Amazon調べ)
著者情報
著者はロバート・キーガンとリサ・ラスコウ・レイヒー。どちらも大人の成長について注力している方々です。
ロバート・キーガン
ハーバード大学 教育学大学院 教授(成人学習・職業発達論)。30年あまりの研究・執筆活動を通じて、人が成人以降も心理面で成長し続けることは可能であり、現代社会のニーズにこたえるためにもそれが不可欠であるという認識を広めきた。
ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』
リサ・ラスコウ・レイヒー
ハーバード大学教育学大学院「変革リーダーシップ・グループ」研究責任者。専門は発達心理学。チームが個人の成長を後押しし、同時に個人がチームを適切に機能させるために貢献できるようにする方法論をテーマに、執筆と実務をおこなっている。
ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』
解説にあたり省略した点
今回わかりやすくするために、以下の内容を中心に省略しております。
- 免疫マップ(=目標など記載された表)の説明および詳細な書き方
- 組織向けの内容全般
もし、詳細に知りたい・本格的な自己変革に取り組みたい場合は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
まとめ
今回は「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」から、続かない・やめられない原因と対策についてお話しました。
続かない・やめられない原因は「裏の目標」を果たそうとするため。その裏の目標を作り出す強力な固定観念を反証していけば、目標の阻害行動をやめることができます。
今回ご紹介した方法で「裏の目標」を手放し、ぜひあなたも新しく目標を立ててみてはいかがでしょうか。
不安になっても今すぐ「大丈夫」になる考え方5選
「将来が不安。このままで本当に大丈夫?」「怒ってしまった(怒られた)。嫌われたかもしれない」「仕事で失敗した。自分はどうして何も出来ないんだろう」「このまま一…
コメント(承認制)