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書く効果とは?感情や思考を書き出すと起こる心身の変化
「毎日なんとなく憂鬱…」
「この先どうしていったらいいか不安」
こうしたモヤモヤを抱えている人にとって、実は感情や思考を書き出すだけで心と体に良い変化が起こり、悩みの種から解放される可能性があります。
かな子
わたしも人生が上手くいかなかった頃から書き始めましたが、明らかに人生が好転しています。
今回は、その根拠となる”書く”ことの効果について研究された論文をご紹介していきましょう。また偏った内容にならないように、 書く効果が得られなかった人の特徴についても触れていきます。
その上で、わたしは”書く”こと自体は多くの人の助けになると思っています。ぜひ最後までご覧ください!
目次
書く効果をまとめた研究
”書く”効果の研究は世の中にいくつもあるかと思いますが、今回は感情的な出来事や思考を書く行為についてまとめた「Emotional and physical health benefits of expressive writing(Karen A. Baikie, Kay Wilhelm, 2005)」について、研究概要と結果を順番にご紹介していきます。
厚生労働省のウェブサイトにおいても、書くことの効果について以下のように認めています。
書くことの効果はおもに2つ。1つは今抱えている悩みと距離をとって、客観的に見られるようになること。その結果、あせりがやわらぐので、落ち着いて物事を考えることができるようになります。もう1つは、それまで思いつかなかった選択肢に、自分で気づけるようになること。これは、書いた文章を読み直すことで得られる効果です。
今の気持ちを書いてみる|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
まずは、そんな書くことへの効果について深掘りした研究の概要から解説していきます。
研究概要
この研究で集められた被験者は、1日15~20分間を4日間連続で自分の心の中にある深く感情的な出来事やストレスについて、自由に文章を書くよう指示されました。
ここでの被験者は主に、健康な人々・特定の病気を抱える人々・心理的な問題を抱える人々が対象です。
書き方 | 文法やスペルを気にせず、自分の気持ちや考えをそのまま書く。感情だけでなく、思考を書くことも推奨。書いている途中でやめずに、時間いっぱいまで書き続ける。 |
書く時間 | 1回あたり15〜20分程度を連日で数回行う。 |
書く場所 | 静かで邪魔されない、自分だけの空間で書く。 |
書いた内容の扱い | 書いた内容は完全に秘密にされ、誰かに見せる必要はない。フィードバックは与えられない。書いたものは自身が保管するか、臨床ファイルとは別に保管。 |
ちなみに、もしあなたが同じことを行う際は、以下に注意するよう推奨されています。
注意点
- 書くテーマは自分で選ぶ
- 時間を守る(1回20分程度)
- 書いている途中でやめても良い
- 必要に応じて専門家の助けを求める
「書く効果が得られなかった人の特徴とその理由」でも触れますが、行われた研究の通りに行うとより良い結果が得づらい場合があるため、上記のような点に注意すると良いようです。
無理せず、やめたくなったやめましょう。
結果
今回の研究では、被験者は最初気持ちが落ち込んだり、体の調子が悪くなったりすることがあるようなのですが、すべての人に同じように効果があるわけではないものの、長期的には、心と体の両方に良い効果があるようです。
体の状態への効果
- 病院に行く回数が減る
- 免疫力が上がる
- 血圧が下がる
- 肺・肝臓の機能が改善する
- 入院する日数が減る
心の状態への効果
- 気分が良くなる
- 心の状態が良くなる
- 試験前の憂鬱な気持ちが減る
- トラウマ後の症状が軽減する
社会生活への効果
- 学校の成績が上がる
- 仕事を休む回数が減る
- 失業後、早く再就職できる
- 記憶力が良くなる
- スポーツの成績が上がる
あなたも実は、自分の感情がわからない、あるいは極端な白黒思考・完璧主義者である自覚はありませんか?
そんな特徴がある人に、書く効果はてきめん!
わたしも過去すごく振り切った思考をしていたので、自分の思考や感情を書き出すようになってから数日~数週間で変化を感じるようになりました。
もしあなたがわたしのような人であれば、あなたも書く効果を実感できるかもしれません。では、なぜ書くだけでこのような効果が得られるのでしょうか。
書いたことで心身の変化が起きた理由
書くことにより、先ほど挙げた変化を実感できる理由はまだはっきりとはわかっていませんが、この論文ではいくつか仮説が挙げられています。
感情の解放 | 感情を抑え込まず今まで隠していた感情を表に出すことで、ストレスが減る |
認知の整理 | 出来事や経験を言葉にすることで、頭の中で整理され、より良い理解につながる |
繰り返しによる慣れ | トラウマや嫌な体験について繰り返し書くことで、感情的な反応が薄れていく |
感情や出来事を言葉にすることで出来事の順序を整理でき、なぜそのような出来事が起こったのか、自分はどう感じたのかについて、自分なりの解釈を加えることができます。すると、バラバラだった考えや感情が、一つの物語のようにまとまり、理解や気づきを得るようになるのです。
また、3つ目の「繰り返しによる慣れ」は暴露療法と関わりがあります。
暴露療法と併せて、嫌な出来事やトラウマ体験を言語化し、整理し、意味づけるなど、複数の理由が組み合わさることで、より上記の効果が得られるのではないかと考えられています。
また、先ほど挙げた失感情症やスプリッティング傾向の人への効果についても同様です。
これらの特性を持つ人が抱える感情処理や認知的な課題に対し、感情的な内容を書き出すことで、感情の認識・認知的な整理・自己理解を深めることを促せると考えられています。
書き出すだけでこんなに良い効果あるなんてすごすぎる…!
一方で、当然ですがこの書き方がすべての人に同じように効果があるわけではありません。
書く効果が得られなかった人の特徴とその理由
今回の研究では、以下のような人々は効果が限定的であったり、かえって逆効果になったりするケースがあるようでした。
精神的な問題を抱える人
- 男性の精神科刑務所収容者
- 自然災害の被害者
- 最近失恋した人
- 身体イメージに問題を抱える女性
- アルコール依存症者の子供
- 慢性疾患のある子供の介護者
- 自殺願望のある学生
- 死別を経験した人
過去に大きなトラウマを経験した人
- 幼少期に虐待を受けた人
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えるベトナム戦争の退役軍人
これらの人々が効果を実感しづらかった理由としては、以下の点が挙げられています。
- 書く内容が特定され自分で決められなかった
- トラウマが重すぎる
- 認知的な整理が難しい
今回の研究では、特定の嫌な出来事やトラウマ・問題について書くように指示された結果、効果が出にくかったのでは、と考えられています。
また、幼少期の虐待や戦争などの非常に大きなトラウマを抱える人にとっては、書くという行為がかえってつらい記憶を呼び起こし、症状を悪化させてしまう可能性があるようです。
他にも、過去のトラウマを抱える人は、それにより出来事をうまく整理することが難しいため、効果が得られにくい可能性があります。
わたしは、嫌な思い出やトラウマを思い出したときの人間の反応は、その人間自身が二度とあの経験をしないためにも強い拒絶反応を示すことで自分を守ろうとしているのだと思っています。
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そんな状態だからこそ、無理やり過去に向き合わせるのではなく、少しずつ自分が向き合えるようなところから進めていき、先に挙げた感情の解放・認知の整理・繰り返しによる慣れを経ていくことで、”書く”効果が高まりそうです。
過去と向き合いたくないなら、向き合えるところから少しずついきましょう! 書くことはあなたの助けになります。
おわりに「精神的自立におすすめなメタ認知ノート」
さて、ここまで読んだあなたなら、今すぐにでも何か書きたくなってきてはいませんか? 書くときはぜひ、わたしがオススメしているノート「カ.クリエ プレミアムクロス」をお使いくださいね。
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今回の研究の中で実施されたテーマ自体、人生で最もつらかった経験・心に深く残っている感情的な問題など、人によっては重かったかもしれません。
わたしがオススメするのは、比較的ライトで身近な目の前の問題を取り上げて書くことです。
- 仕事のことを考えようとすると違うことに意識がいって集中できない
- 昨日あいつから言われたあの言葉にムカついた
- なぜかいつも自分はひどい目に遭う
- お金を使いすぎてしまう
- 人の目が気になる
などなど、些細なことで見逃されてきたことでも、本当になんでもOK。
本当はこうしたいのだけど、なぜかいつもそれができない…それは、あなたが物事を正しくとらえられていないからかもしれません。
わたしが日頃書いている「メタ認知ノート」は、そんな知らず知らずのうちに歪んだ認知を整えるためのノート術です。
以下のページでは、書き方やわたしに実際表れた効果などを詳しくご紹介しておりますので、ぜひ一度覗いてみてください。
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