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当たり前のことができない人へのイライラは才能ではなく「投影」

「自分は当たり前にできることなのに、それができない人を見てイライラする理由は、それを自然とできる才能を持っているから」という言説を聞いたことはありますか?

それは本当の本当の理由ではないんじゃないかな、とわたしは思っています。
- 「自分より仕事ができない同僚がムカつく」
- 「子どもが公共の場で騒いでても、注意しない親にイライラ」
- 「困っている人に気づいたとき、気づかない・気が利かない人にイラッとする」
結論、これらは才能の裏返しではなく、その人自身が相手に「投影」を起こしているからイライラしていると考えられます。
このページでは「投影とは何なのか」、「なぜイライラの原因が当たり前にできること・才能ではないのか」についてわかりやすくお伝えしていきます。
目次
「当たり前にできることができない人」にイライラする理由は本当に才能なのか?
SNSや自己啓発系の発信でよく見るのが、「当たり前のことができない人にイライラするのは、自分がその分野で才能を持っている証拠」という主張。



たしかに何かが得意な人は、不得意な人の行動に目がいきやすいでしょう。でも、それは必ずしも「才能だから」とは限りません。
要因のひとつであるという見方もあるでしょうが、「本当の本当の原因」「才能なんだからイライラするもの」とは言えないだろうと思っています。なぜなら、才能があるからといって、他人に腹を立てない人もたくさんいるからです。
期待が満たされなかったときにイライラしたりムカついたりする…それはそれとして、たとえ期待が満たされなくても怒らない人もいるでしょう。
【例】一流シェフが他人の料理を食べたとき
一流のシェフが、他人の作った料理を食べて「自分ならこうするのに」と思った場合、今わたしが思いつくだけでも反応としていくつか考えられます。
- それができないなら怠慢だ、とイライラする
- 「自分が味付けするならこう」と本人の探求心が煽られる
- 「伸びしろだな!」とこれからの成長に期待する
これらに限らず、もっともっといろいろな価値観があるでしょう。100人が100人とも片っ端からイライラするわけではないのです。



つまり、「才能=イライラ」という公式は必ずしも成立するわけではないと思いました。
たとえ才能だったとしても、じゃあなんでイライラしているそれ自体が自分の才能となっているのか、才能だからといってイライラする必要ないんじゃないか、と疑問に思いませんか?
才能を持ちながらも、イライラする人とイライラしない人の違いとはなんなのでしょうか。その答えのひとつが「投影」だと考えて居ます。
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投影の例
- 遅刻する自分は価値が無いと思っている人が、他人の遅刻に異常に怒る
- 自分の「雑な部分」を認めたくない人が、他人のミスに過剰に反応する



つまり、本当のイライラの矛先は「相手の行動」ではなく、自分の中にある否定したい部分なんです。
自分が当たり前にできることができない他人にイライラしたとき、たとえそのイライラする部分の才能をあなたが持っていたとしても、別にイライラする必要ってないですよね?
もしイライラしないのであれば、いよいよ本当にそれは才能なのかもしれません。もしその場合は、こんな感じで問題として認識されないのではないかなと思います。
投影において、「相手に言いたいことは自分に言いたいこと」です。自分が当たり前にできることができない他人にイライラするということは、自分は当たり前にそれをすべきだと自分に対して思っています。



その「やりたくない気持ち」を上手に隠して抑圧するのが投影の役割です。
「当たり前にできるけど本当はやりたくない」を抑圧した投影の例
本当はやりたくないことをしている、なんて言われても「そんなわけない。だって自分は実際できているんだから」と思われたかもしれませんが、そのできている理由には以下の投影の例にあるような本音が隠れているかもしれません。
スクロールできます
シーン | 本音 | 投影の反応 |
---|---|---|
職場の整理 | 面倒でやりたくない、でもそうしないと評価されないと思い込んで仕方なくやっている | 同僚のデスクが散らかっていると「だらしない!」と強くイライラ |
家事 | 本当は疲れてやりたくない、でも「できない自分に価値はない」と思い込んでいる | 配偶者が家事を手伝わないと「なんでやらないの!」と腹が立つ |
時間管理 | 本当はゆっくりしたい、でも「社会人として当然」と自分を縛っている | 友人が遅刻すると「非常識!」と相手を責める |
自然にできてしまうのではなく、自分という人間に自然にやらせないといけないくらいあなたの脳は自分を責めて追い詰めている、とも言えます。
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「いやいや…相手のことは責めても、実際にそれができている自分のことは責めてないよ」と思われるかもしれません。
投影において、相手に言いたいことは自分に言いたいことなので、たとえば相手に「そんなことしちゃダメ!」と言いたいならば、自分自身に「そんなことしちゃダメ!」と我慢を強いているということになります。これが自分責めに繋がるのです。
たとえ才能があったとしても、あなたはイライラしない自由があるはずです。100人中100人が自分と同じ状況だったとしても、一挙手一投足まったく同じ反応を示すわけではないですよね。
では、同じ状況のあの人がなんでもなさそうな態度でいる一方で、あなたはなぜそれにいつまでもムカつくのでしょうか。その違いの原因のひとつが、「投影を起こしているかどうか」である可能性が考えられるのです。
わたしの投影体験を踏まえた詳しい投影の説明は、以下のページでしていますのでぜひご覧ください。
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なぜあなたはそこまで自分を責め、そして追い詰めているのか…。ここからは、そんな投影を起こす人の特徴や背景をいくつか挙げていきましょう。
投影が起きやすい人の特徴と背景
数年自分の投影と向き合い続けてきたわたしが、「投影しやすい傾向」がある人を挙げるとしたら以下のような特徴が考えられます。
- 完璧主義で「〜であるべき」が強い
- 自分の短所や弱みを直視するのが苦手
- 幼少期から「できて当たり前」と言われて育った
- 失敗や欠点を許されない環境で生きてきた



これぜんぶ過去のわたし。
こうした背景は、投影を簡単に起こしやすいでしょう。
子どもの頃に傷ついた経験・喪失体験をしたことで、「もう二度とあんな思いをしたくない」と心が無意識に防衛態勢に入るため、その現実を回避しようとして投影を起こします。
たとえば、あなたが持っている才能や強みは、以下のような背景の裏返しである可能性があるでしょう。
あなたの才能・強み | その背景にありそうな弱み |
---|---|
真面目で責任感が強い | 無責任な大人に振り回された過去がある |
空気を読むのが得意 | 人に嫌われるのが怖かった経験がある |
努力を怠らない | 認められなかった劣等感をずっと抱えている |
優しくて共感力が高い | 自分の気持ちを抑えることで認められてきた |
こういった行動をしないと褒められなかった・認められなかった、といった条件付きでの愛情も子どもの自分にとっては傷つき体験として心に刻まれます。
あなたが他人の態度にイライラしたとき、過去の自分がその態度を周りに許されなかったからこそ、自分が許されなかったことをしている他人を見て「そんなことをしてはいけない!」とイライラするのです。
自己肯定感を保つための心理的なストーリーとして「才能説」は心地が良いので、ある意味「才能=イライラ」が広まりやすいだろうとは思うのですが、一方でこの考え方は、本当の本当のイライラの原因(投影)を見逃してしまうリスクがあるでしょう。
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イライラを減らす投影の解き方
投影初心者において、イライラをいきなり完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、今すぐイライラを減らすことは全然可能です。
より根本的な投影の解き方については別ページで詳しく紹介しておりますが、ここでは対処療法的に即座にイライラを止める3ステップをご紹介します。
1. 立ち止まる | 「このイライラは投影かもしれない」と気づき、一度立ち止まる |
2. 実害の有無を確認 | 相手の行動が本当に自分に害を与えているのか確認する |
3. 自分の中の同じ部分を認める | 「自分にもそういう部分がある」と相手の行動を受け入れてみる |



この順番をたどると、「あの人のせいで…!」という感情が和らぎやすくなるでしょう。
それでは順番に解説していきます。
1. 立ち止まる
まず、他人の言動にイラッとした場合、「このイライラは投影かもしれない」と気づき一度立ち止まりましょう。
認知バイアスや思い込みがなぜ存在するのか、については以下のページで詳しく解説しています。
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イライラした瞬間、その感情をただ相手のせいにしてしまうと状況は改善しません。そこで役立つのが「これは自分の投影かもしれない」と立ち止まる習慣です。
立ち止まることで、ただ一方的に感情に流されるのではなく、自分の心の仕組みを客観的に見つめ直すことができます。



まずはこのページをよく読んで、投影を起こしがちな人と差を付けちゃおう!
2. 実害の有無を確認
イライラするその相手の行動が、今の自分に直接的な害を与えているか、本当に損失を被っているのかを確認しましょう。



イライラする出来事の中には、実際には自分に害がないものも多く含まれています。
たとえば、他人の仕事の遅さや効率の悪さに腹が立つとき、それが自分の成果や生活に直接影響していなければ、本当は「気にしなくていいこと」です。
イライラを感じたらまず、「これは自分に実害があるのか?」「それともただ理想や期待からズレているだけなのか?」と問いかけてみましょう。
3. 自分の中の同じ部分を認める
他人にイラッとするポイントは、多くの場合「自分の中にもあるけど受け入れたくない部分」と重なっているので、それをまずは認めていきましょう。



わたしたちは、自然と自分の欠点を外に映し出してしまいます。
「だらしない人」に苛立つとき、自分の中にも完璧に管理できない部分があるはず。それを認められていないから、他人に対して投影を起こしているのです。
はい、以上がイライラを減らす投影の解き方でした。ただこれはあくまでも対処療法であって、根本的に問題を解決するためのやり方はまた別にあります。
「より詳細に投影を解きたい」「何度も同じイライラを繰り返している…」という場合は、以下のページをぜひ参考になさってみてください。
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コメント欄では他の方からの投影体験をご報告いただいておりますので、参考にぜひご覧ください!
まとめ:才能ではなく「投影」を理解することから
以上が、『当たり前のことができない人へのイライラは才能ではなく「投影」』でした。
「当たり前にできるのに、できない人を見るとイライラする」本当の本当の原因は才能ではなく、多くの場合「投影」が関わっていると考えています。
投影は自分の不都合な部分を相手のものだと思い込む心の防衛反応のこと。
「当たり前にできることができない人を見てイライラしたとき」を投影に当てはめた場合、自分の中で抑え込んでいる「本当はやりたくない気持ち」のような人に見せたくない弱さを他人に映し出していると考えられます。
「当たり前にできない人にイライラするのは才能だから」という説は一見ポジティブですが、本当の原因を隠してしまう可能性があります。だからこそ、相手ではなく自分自身に目を向けることが大切。



これはわたしが何度も繰り返し実践してきたからこそ、投影の知識を身に付けることは心の底からオススメします。
イライラの裏にある「本当の声」を受け止められたとき、他人への苛立ちは自然とやわらぎ、人間関係も今より楽になりますよ。
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